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アスタルト (‘ṯtrt )は、地中海世界各地で広く崇められたセム系の豊穣多産の女神。崇拝地はビュブロス(Byblos、現在のレバノン)などが知られる。 メソポタミア神話のイナンナ、イシュタル、ギリシア神話のアプロディーテーなどと起源を同じくする女神と考えられ、また周辺地域のさまざまな女神と習合している。 == 地域におけるアスタルト == === ウガリットにおけるアスタルト === ウガリット神話ではバアルの御名 ( šm b‘l ba‘ala ) とも呼ばれ、同じくバアルの陪神である女神アナトと共に、バアルと密接不可分な陪神とされる。しかし、神話では重要なヒロインであるアナトに対し、アスタルトはほとんど活躍しない。アナトが麗しいと賛美される一方、アスタルトは愛らしいと賛美される。バアルの敵である、水を司る海神ヤム=ナハルとは豊穣神という性質上親しい関係にあったため、バアルがヤムを倒し、彼を捕らえた際には、ヤムが自分たちの仲間であることから恥じ入るべき行為だと非難した〔『ヘブライの神話』155頁。〕。あるいは、彼が倒して引き裂いたヤムの体を、バラバラにして撒き散らすように進言した〔『ウガリトの神話 バアルの物語』55頁。〕。 イナンナ等が持っていた「愛と残酷の女神」の面はむしろアナトに受け継がれている。このため、アスタルトとアナトは同一神の別の呼称に過ぎないとする説を唱える者もいる。事実、アナトとアスタルトが同一視されていた時代もあった。また、最高神イルの妻、或いはバアルの妻とする説もある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アスタルト」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Astarte 」があります。 スポンサード リンク
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