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azulene
アズレン (azulene) は10個の炭素原子と8個の水素原子からなる炭化水素で、ナフタレンの構造異性体にあたる。分子式は C10H8、分子量 128.17、融点 99–100 ℃、沸点 242 ℃。ナフタレンのような特有のにおいを持つ、代表的な非ベンゼン系芳香族化合物である。後述する、アルキル基で置換されたアズレンはモノテルペンにも分類される。 アズレンは濃青色の昇華性の高い結晶であり、これはナフタレンやその他多くの炭化水素が無色透明であることと対照的である。名称もスペイン語で「青い」を意味する "azul" に由来する。多くの化粧品に用いられた。 その歴史は古く、15世紀にはカモミールの水蒸気蒸留によってアズレンを含む濃青色の精油が得られていた。1863年にセプティマス・ピアス (Septimus Piesse) によりノコギリソウやニガヨモギから単離され、彼によって命名された。レオポルト・ルジチカがアズレンの構造を解明し、1937年にプラシーダス・プラットナー (Placidus Plattner) によって初めて合成された。今日ではいくつかの合成法が知られている〔Hafner, K.; Meinhardt, K.-P. "Azulene". ''Org. Synth.'', Coll. Vol. 7, p.15 (1990); Vol. 62, p.134 (1984). アズレンの合成(英語) 〕〔Carret, S.; Blanc, A.; Coquerel, Y.; Berthod, M.; Greene, A. E.; Deprés, J.-P. "Approach to the Blues: A Highly Flexible Route to the Azulenes". ''Angew. Chem., Int. Ed.'' 2005, ''44'', 5130–5133. DOI: 10.1002/anie.200501276 〕。 ==構造== ナフタレンが2つのベンゼン環の一辺を共有する構造である一方、アズレンは7員環と5員環が縮環した構造を持つ。ナフタレンと同様に10個のπ電子を含む共鳴構造を持つが、共鳴安定化エネルギーはナフタレンの半分である。それぞれ芳香族性を有する 6π 電子構造のシクロヘプタトリエニウムイオン(トロピリウムイオン)とシクロペンタジエニルアニオンが縮環した構造と見ることもでき、1.0Dの双極子モーメントはこの分極によって説明できる。その極性のため、求電子的反応は5員環側で、求核的反応は7員環側で受けやすい。ナフタレンなどより芳香族性はやや低く、水素化などの反応を受け付けやすい性質がある。 アズレンはカシャの法則から逃れる分子として知られており、その誘導体もまた最低励起一重項状態から蛍光しないものが多い。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アズレン」の詳細全文を読む
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