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アタナシウス派 ( リダイレクト:アタナシオス派 ) : ウィキペディア日本語版
アタナシオス派[あたなしおすは]

アタナシオス派とは、キリスト教において、アレクサンドリアのアタナシオスの指導の下に、父なる神子なる神であるキリスト同本質同質とも。ホモウシオス、)であると主張した派を指す用語。ラテン語表記から転写してアタナシウス派〔とも呼ばれる〔「アタナシオス」は古典ギリシア語からの再建音表記。現代ギリシア語からは「アサナシオス」。『キリスト教神学基本用語集』(2010/11)、『キリスト教大事典』(昭和48年9月30日)ではギリシャ語から転写して「アタナシオス」と書かれ、『山川 世界史小辞典』 (2004/01)、『必携世界史用語』 (1998/04改訂版)ではラテン語から「アタナシウス」と書かれている。〕。
同派につき、キリスト教を扱う専門的文献では「ニカイア派」「ニケア派」(〔St. Gregory of Nazianzus: An Intellectual Biography 著者: John Anthony McGuckin 〕, 〔The Holy Trinity and the Parousia of the Holy Spirit According to St. John Chrysostom 〕〔, はいずれも形容詞。「ニケア派の教父聖師父)達(Nicene Fathers, Nicaean Fathers)」「ニケア派の皇帝(Nicene emperor, Nicaean emperor)」等。〕)等と呼び、「アタナシオス派」とはまず呼ばない(後述)。
== 用語「アタナシオス派」「ニカイア派」 ==
「アタナシウス派(アタナシオス派)」は、アリウス派に対抗し、その後キリスト教主流派において正統と認められた一派として、日本の高等学校教育での世界史科目においてしばしば登場する用語であるが、キリスト教を扱う専門的文献にはこの用語は殆ど出て来ない〔『キリスト教神学基本用語集』にもこの用語は登場せず、また『キリスト教大事典』は1200頁に及ぶ大事典であるが、「アタナシオス派」「アタナシオス主義」は単独項目として存在していないばかりか、用語自体の記述が無い。〕。
アレクサンドリアのアタナシオスの主張は独りアタナシオスによって始められたものではない。第一ニカイア公会議(第一全地公会)〔地名ニカイア()は、現代ギリシア語からはニケア。そこから「ニケア公会議」「ニケーア公会議」といった表記もみられる。〕においてアタナシオスがアリウス派に反駁したことで名声を得、三位一体の教理確立が彼の主要な功績に数えられるのは事実であるが〔、アタナシオスは公会議にアレクサンドリア主教アレクサンドロスの随行員・秘書として赴いており、その際の地位は輔祭助祭執事)であって、主教の意向を無視して独断で行動出来る身分ではなかった〔Athanasius of Alexandria 〕〔CATHOLIC ENCYCLOPEDIA: St. Athanasius 〕(他方、20代の若年であったにも関わらず活躍したことが特筆されもする〔)。特に、アタナシオスにとって師であるアレクサンドロスは、公会議以前からアリウス派に対する論駁を行っていた〔Alexander of Alexandria - OrthodoxWiki 〕。
また、アタナシオスの側に立った者の中には著名な聖人となった者も居るほか(例:ミラのニコラオスポワティエのヒラリウス)〔Nicholas of Myra - OrthodoxWiki 〕、アタナシオス永眠後に、アリウス派に反駁して第一コンスタンティノポリス公会議(第二全地公会)で第一ニカイア公会議での決定の再確認に寄与したのはカッパドキア三教父であり、アタナシオス一人に三位一体論の教義教理を帰するのは適切ではない。
このような事情もあって、キリスト教を専門的に扱う文献においては「アタナシオス派」といった用語は使われず、代わりにニカイア公会議の地名に由来する「ニカイア派」「ニケア派」「ニカイア正統派」といった用語が使われる〔〔東京基督神学校2007年度春学期講義 - kyoukaisi6.29.pdf 〕〔ルイス・ベルコフ著、赤木 善光 (訳)、磯部 理一郎 (訳)『キリスト教教理史』p101 - p102, 日本基督教団出版局 (2008/01/10、オンデマンド版) ISBN 9784818450745〕〔「ニカイア派」は古典ギリシア語再建音の「ニカイア」から。「ニケア派」は現代ギリシア語転写「ニケア」から。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「アタナシオス派」の詳細全文を読む




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