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アタマース : ミニ英和和英辞書
アタマース[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

アタマース : ウィキペディア日本語版
アタマース[ちょうおん]
アタマース () は、ギリシア神話に登場するボイオーティアの王である。長母音を省略してアタマスとも表記される。
アイオロスエナレテーの子。父アイオロスはアイオリス人の祖とされ、アタマースの兄弟はみなテッサリアー周辺の王ないしは都市創建者である。クレーテウスはテッサリア王、シーシュポスコリントス(当初はエピュラー)の創建者、サルモーネウスはサルモニアの創建者、デーイオーンポーキス王、マグネースはセリーポスの創建者、ペリエーレースメッセーネーの王である。姉妹にカナケーアルキュオネーペイシディケーカリュケーペリメーデー
最初の妻ネペレーとの子にプリクソスヘレー、2番目の妻イーノーとの子にレアルコス、メリケルテース、3番目の妻テミストーとの間にレウコーン、エリュトリオス、スコイネウス、プトーオス、ポリュピリオーン、スピンキオス、オルコメノスの子供たちがある。
== 神話 ==

アタマースはヘーラーの命によってネペレーと結婚したが、ネペレーはアタマースをさげすみ、これに憤ったアタマースはカドモスハルモニアーの娘イーノーを呼び寄せた。イーノーは、ネペレーの子供たちに悪意を抱き、密かに土地の女たちに種麦を焙らせて作物が実らないように工作した。穀物が芽を出さないのを怪しんだアタマースは、デルポイの神託を仰ぐことにして使者を送った。イーノーはこの使者を買収し、プリクソスをゼウスの生け贄に捧げるよう神託があったといわせた。
プリクソスは美しい若者で、クレーテウス(アタマースの兄弟)の妃ビアディケーに求愛された。プリクソスがこれをはねつけところ、ビアディケーは恨んで、プリクソスが自分を襲おうとしたと言いふらした。神託を実行するよう民に言い寄られたアタマースは、ビアディケーのこともあり、プリクソスを生け贄にせざるを得なくなった。こうしてアタマースがプリクソスを山頂に引き立てたとき、ヘーラクレースがプリクソスを救った。一説には、救ったのはネペレーともいう。プリクソスは妹のヘレーとともに金毛の羊の背に乗って逃れた。二人が乗った牡羊は「金羊毛」として後のイアーソーンアルゴナウタイの冒険につながる。
ネペレーはヘーラーに、アタマースを死罪にするよう訴えた。ヘーラーは、ゼウスがセメレーに生ませたディオニューソスを、イーノーが娘として匿い、アタマースがこれを黙認したことにも腹を立てていたので、アタマース(イーノーもともにともいう)に狂気を吹き込んだ。アタマースが白い鹿を見つけて矢を射たところ、殺したのはイーノーとの息子レアルコスだった。狂気に駆られたアタマースはレアルコスの体を八つ裂きにした。イーノーはもう一人の息子メリケルテースを抱いて逃げたが、アタマースに追いつめられ、母子ともに海に身を投げた。ゼウスはディオニューソスを育てた恩義に報いてイーノーを女神レウコテアーとし、メリケルテースは海神パライモーンとなった。
この事件によって、アタマースはボイオーティアから追放された。また、民の手で生け贄にされるところを、プリクソスの息子キュティッソーロスが命を救ったともいう。行き所を失ったアタマースが神託を伺ったところ、「野獣がおまえを饗応してくれる場所に住め」というお告げがあった。アタマースが北に向かってさまよい歩くうち、荒野で狼の群れが羊の群れをむさぼり食っているところへ出くわした。狼たちはアタマースとその配下たちを見て逃げ、腹を空かせていたアタマースの配下は羊の肉を食べた。アタマースは神託にしたがってこの地をアロスと呼び、都市を創建した。のちのアタマニア(アタマンティアーとも)である。アタマースはこの地でテミストーと結婚した。
アタマースの狂気については、まったく別の話がある。山中でイーノーが大山猫に襲われたとき、バッコスの狂乱がイーノーに取り憑き、イーノーは大山猫を引き裂いて殺し、そのままパルナッソス山マイナスたちの酒宴に加わった。アタマースはイーノーが死んだと思ってテミストーを後妻に迎えた。後になってイーノーが健在であることがわかり、アタマースは乳母といつわってイーノーを宮中に入れた。テミストーはこれを見破り、テミストーの子には白い衣装、イーノーの子には喪服を着けさせるようイーノーにいいつけ、翌日護衛に命じて喪服の子供を殺させた。しかし、イーノーは危険を察して子供の服を取り替えていたので、殺されたのはテミストーの子だった。アタマースはこれによって乱心したのだという。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「アタマース」の詳細全文を読む




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