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アトピービジネス : ミニ英和和英辞書
アトピービジネス[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

アトピービジネス : ウィキペディア日本語版
アトピービジネス[ちょうおん]
アトピービジネスとは、アトピー性皮膚炎患者をターゲットにする悪徳商法を指す言葉として、金沢大学医学部皮膚科教授竹原和彦が作った造語である。日本では1990年代に、マスコミによりアトピー性皮膚炎とステロイド外用薬に関する誤った報道が大規模に行われ〔渡辺隆文、夫馬直実 著 『あきらめない! アレルギー治療―食物アレルギー・花粉症・アトピー性皮膚炎』 NHK出版、2012年〕、アトピー性皮膚炎患者を対象にした悪徳商法が横行している。ステロイド外用薬を悪者に仕立てる手口に乗せられてしまう人が多いことが、日本における特徴となっている〔日々雑感:またアトピー悪徳ビジネス 2009年08月20日 にいざわ皮膚科〕。
==概要==
アトピー性皮膚炎は、しばしば複数の因子で悪化する多因子性疾患であり、複数の要因が複雑に重なり合っている可能性もあり、ひとつの因子のみ対策を行ってもうまくいかなかったり、不十分に終わってしまう可能性が高い。悪化因子に本人が全く気付いていないこともある。発症原因も完全に解明されておらず、マスコミによって標準治療で使われるステロイド外用薬に悪いイメージが広められたため、医学(現代医学)の標準治療を思い込みから忌避する患者もおり、患者や患者の家族の悩みも深いものとなっている。アトピー性皮膚炎におけるステロイド外用薬不信は、1990年代のメディア報道にはじまり、インターネットの普及で誤った情報が一気に拡散した。アトピー性皮膚炎の特集を行ったNHKディレクターの渡辺隆文・井馬直実は、インターネット普及による情報過多の負の側面は、様々なテーマで取材しても感じるが、特にアトピー性皮膚炎では、真偽の定かでない情報の爆発的な氾濫が患者を混乱させ、出口の見えない迷路に連れていってしまっている、と指摘している。
そうした状況下、民間療法の業者の中にもアトピー性皮膚炎の患者を対象に商売を行うものも多い。そうした民間療法の業者の中には、医師が処方する医薬品の問題点をことさら強調することで、人々の恐怖心を煽るものである。もっとも多いパターンとしては、ステロイド外用薬の副作用などの問題点をことさら強調することであるが、これは膠原病の治療などに使われるステロイド内服薬の副作用をステロイド外用薬の副作用であるかのように喧伝することも多い。しかし一般的にステロイド内服薬は、アトピー性皮膚炎の治療に使われない。アトピー性皮膚炎患者をターゲットにする業者は、標準治療の害を説く一方で、自らが用意した食品や療法に関しては、実際には効果の有無に関する疫学・統計学的な大規模調査が行われていないにもかかわらず、さも効果が科学的に証明されたかのように印象付ける巧みな宣伝手法を用いて、人々に様々な食品を売りつけたり、“療法”(何かしら療法に似たような独特の行為)を行い料金を得る業者(商人)が数多く存在する。「アレルギーの元となる毒素を内臓から排出させる」とする無許可の内服薬・サプリメントやステロイドを含むことを隠し「100%天然」を謳うクリーム、疑似科学的な説明がされた水など、様々な商品が存在する〔無許可で「アトピーに効く」サプリ販売で男を逮捕/横浜 カナロコ 神奈川新聞〕。皮膚科専門医の新澤みどりは、アトピービジネス業者の手法は問題ある宗教団体の勧誘手口と非常によく似ており、またそのテクニックは周到であると述べている。
アトピー性皮膚炎で悩む患者や患者家族の数は多く、痒みや痛みなどの身体的苦痛、皮膚の状態を悪化させることから生活に及ぼす影響も大きい。患者の藁にもすがる気持ちつけこむことで、儲けの得やすいビジネスだと見なしている一群の業者と、そのターゲットにされている患者群がおり、結果として様々な問題が起きている。さらに厄介なことに、正規の医師の中にも根拠の無い療法などを患者に勧めて安易に収益を増やすようなことを行っている者がおり、このことを人々に喚起するために竹原和彦が「アトピービジネス」という用語を造った。
こうした業者や医師は、しばしばたくみに法律の網をかいくぐるため、行政も規制しきれていない面もあるが、違法性が明らかだと判断できる業者に対しては処分が行われている。例えば、化粧品販売会社ラバンナ(現イエス・オーケー、東京都新宿区)は、2008年にアトピー性皮膚炎患者にステロイド入りクリームを売った疑いで摘発された。この事件ではステロイドのランキングで最強のプロピオン酸クロベタゾールが入っているにもかかわらず、ステロイドは入っていないと偽証し「ステロイドは一切含まない天然素材100%」「赤ちゃんにも使える」と言って売り込んでいた〔日々雑感:またアトピー悪徳ビジネス 2009年08月20日 にいざわ皮膚科〕。また2014年には、アトピー性皮膚炎などへの効能を謳う無許可の医薬品を販売したとして、薬事法違反の疑いでサプリメント販売会社ブライトライフ(横浜市中区)が摘発されている。警察によると、同社は2009年11月から2013年11月にかけ、延べ約3700人に原価の3~10倍でサプリを販売し、計約2400万円を売り上げていた。ホームページで「アレルギーの元となる毒素を内臓から排出させる」と商品を宣伝し、ステロイド外用薬を危険視する自社商品愛用者の書き込みを複数掲載し、客を集めていた。これらの例のほか、多数の逮捕例がある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「アトピービジネス」の詳細全文を読む




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