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アマッポは、かつてアイヌが狩猟に用いていた自動発射式の弓矢である〔増補改訂版・ヒグマ P.280〕〔アイヌ自製品の研究―仕掛け弓・罠 〕〔歴史と民俗・アイヌ P.38-39〕〔アイヌの民具 P.152-153〕。 これを獣道に仕掛け、矢毒を塗った矢を発射させてヒグマやエゾシカを狩った。 == 概要 == 「アマッポ」の語は、アイヌ語で「置くもの」を意味する。他に「アマックウ」(置く弓)、「クワリ」(弓を置く)の名称もある〔アイヌ自製品の研究―仕掛け弓・罠 〕。その名の通り人間が手に持って矢を放つものではなく、山野にあらかじめ仕掛け置き、獲物が通りかかるや毒矢が放たれる一種の罠である。 全体の構造は、クー(弓)、マカニッアイ(仕掛け矢)、ヘチャウエニ(引き金)、ノプカ(触り糸)から成る〔部位の名称は、萱野茂『アイヌの民具』を参考にした。この資料では、アマッポではなく「クワリ」として紹介されている。〕。弓は弾力のあるクネニ(イチイ。アイヌ語で「弓の木」の意)の材にフンペ(クジラ)の筋、またはパシクルエプ(ツルウメモドキ)の弦を張ったもので、これにトプ(チシマザサ)かノリウツギで製した矢、木製の引き金、そしてモセ(イラクサ)の繊維で作った触り糸から構成され〔歴史と民俗・アイヌ P.38-39〕〔アイヌの民具 P.152-153〕、 外見や仕組みはクロスボウや弩に似ている。弦を張りつめ、毒矢をつがえた状態で獣道の脇に仕掛け、弦を固定する引き金には張り糸を繋いで獣道に張る。通りかかった獲物が張り糸に触れば引き金が外れ、矢が発射される〔アイヌの民具 P.152-153〕。 同様の狩猟具はアイヌに留まらず、サハリンのニブフ、さらに沿海州からアムール川流域に居住するナナイなどツングース系民族に広く分布している〔アイヌ自製品の研究―仕掛け弓・罠 〕〔アイヌの民族考古学 P.27-39〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アマッポ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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