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アミノ酸年代測定法(アミノさんねんだいそくていほう)とは考古学や法科学のために使われる理化学的年代測定法の一種。生物の遺骸からアミノ酸を採取し、そのラセミ化の程度で年代を測定する。 ==年代の測定== 自然界でアミノ酸が作られるのは、ほとんどが生命活動によるものであり、そのほとんどがL体である。アミノ酸のL体とD体とはいわゆる立体異性体であり、両者は数千年から数万年かけて少しずつ互いに入れ替わる。そのため、骨に残ったアミノ酸のL体とD体の比率を調べれば、そのアミノ酸がいつ生成されたものかが分かる。この方法はアメリカの物理学者フィリップ・アベルソンが発案し、ジェフリー・バーダーが発展させたものである〔。 例えばアスパラギン酸はラセミ化の速度が速く〔、気温20℃であれば1万5千年でL体の半分がD体に変化する〔『遺物は語る』〕。この半減期は実測によるものではなく、放射性炭素年代測定の結果からの推定値である。炭素14の半減期は約5730年であり、アミノ酸の半減期はこれよりも長いため、約5万年が限界の放射性炭素年代測定法に代わる方法として期待された〔。 しかしながら、この方法には欠点も見つかっている。アミノ酸のラセミ化速度は温度の影響を強く受ける。そのため、測定する物質がさらされてきた温度が分からなければ、正確な年代を決定することができない。また、バクテリアや菌類によるアミノ酸の分解も、誤差の要因となる〔。この後、電子スピン共鳴を利用した年代測定法等も見つかったこともあり、アミノ酸ラセミ化年代決定法は年代決定法の主流にはなっていない。ただし、海底の珪質堆積物の10万から100万年程度の年代を決定する場合など、他に適当な測定法が無い場合には有効との報告もある〔近藤朋美ら アミノ酸ラセミ化反応を用いた海底堆積物の年代測定に関する研究 〕。また、温度の影響を受けることを逆手にとって、古代の気温を推定する研究も進められている〔安部巌ら 化石中の右手型アミノ酸の割合から数千年間の平均気温がわかる 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アミノ酸年代測定法」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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