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アメリカ太平洋軍(アメリカたいへいようぐん、英語:United States Pacific Command、略称:USPACOM)は、アメリカ合衆国軍が有する9個の統合軍のうちの一つ。統合軍の中でも最も古くから存在しており、兵員はおよそ30万人。ハワイ州・オアフ島の海兵隊キャンプ・H・M・スミスに司令部を置く。 太平洋軍の指揮は、太平洋軍司令官(略称:CDRUSPACOM)がこれを行う。太平洋軍司令官には代々海軍大将が就任しており、太平洋軍の担当地域内で活動するアメリカ合衆国軍の各種部隊に対して最上位の軍事指揮権を持つ。太平洋軍司令官よりも上位の指揮権を持つのは、アメリカ軍の最高司令官である合衆国大統領、および統合参謀本部の助言を受けた国防長官の2人のみである。現任司令官はハリー・B・ハリス・ジュニア海軍大将(2015年5月29日 - )。 アメリカ太平洋軍の主な戦力は太平洋陸軍、太平洋海兵隊、海軍太平洋艦隊、太平洋空軍であり、いずれの司令部もホノルルにある。また各構成部隊は担当区域内全域に駐留している。元来は陸海空の三軍が独立していたが、2000年代に統合軍化され現在の形になった。 == 担当地域 (Area of responsibility) == アメリカ大陸西岸(アメリカ本土沿岸500海里及びアメリカ南方軍管轄の南米西岸海域を除く)からインド洋の大部分・北極海と南氷洋の半分以上(地球の表面積の約半分にあたる約2億7200万平方キロメートル)を管轄下に置き、その中には43ヶ国(世界人口の約60%)が含まれる。 太平洋軍の担当区域の境界線は、太平洋上では南極大陸から(北緯8度,西経92度)へ進み、真西へ西経112度まで進み、そこから北西へ(北緯50度,西経142度)進み、そこから西へ東経170度まで進み、そこから北へ北緯53度まで進み、そこから北東へ(北緯65度30分,西経169度)進み、そこから北へ北緯90度(北極点)まで進み、北極海では西は西経169度から東経100度までの範囲を管轄する。陸上では中華人民共和国、モンゴル、朝鮮民主主義人民共和国、大韓民国、日本、東南アジア諸国、および南アジア大陸を西限はインドまで管轄する。インド洋での境界線は、インドとパキスタンの沿岸境界から西へ東経68度まで進み、そこから南へ(南緯5度,東経68度)進み、そこから西へ(南緯5度,東経59度)進み、そこから南へ(南緯8度,東経59度)進み、そこから南西へ(南緯11度,東経54度)進み、そこから西へ(南緯11度,東経42度)進み、そこから南へ東経42度の線に沿って南極大陸までであり、太平洋軍はこの線の南東側を管轄する。更にオーストラリア、ニュージーランド及びハワイを管轄する。 アメリカ太平洋軍は、次の五ヶ国との間の相互防衛条約を実施する任務に当たっている: *フィリピン:米比相互防衛条約(1952年締結) *オーストラリア、ニュージーランド:太平洋安全保障条約(1952年締結) *韓国:米韓相互防衛条約(1954年締結) *日本:日米安全保障条約(1960年締結) 上記に加えて、アメリカ太平洋軍の担当地域には中華民国が含まれており、その防衛に関する事が台湾関係法により定められている。更に、東南アジア条約機構は1970年代後半に廃止されたものの、東南アジア集団防衛条約は今もなお公式的なアメリカ、フランス、オーストラリア、ニュージーランド、タイ、およびフィリピンの間の同盟関係となっている。 アメリカの貿易総額の35%がアメリカ太平洋軍の担当地域内に属しており、1998年の時点で5480億ドル以上にのぼる。またアメリカ太平洋軍は、その担当区域内にある中華人民共和国、インド、ロシア、北朝鮮といった世界有数の軍事力を保有する国家を監視している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アメリカ太平洋軍」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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