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アラベスク(arabesque)は、モスクの壁面装飾に通常見られるイスラム美術の一様式で、幾何学的文様(しばしば植物や動物の形をもととする)を反復して作られている。幾何学的文様の選択と整形・配列の方法は、人物を描くことを禁じるスンニ派のイスラム的世界観に基づいている(シーア派ではムハンマドを除いて描くことは認められている)。ムスリムにとってこれらの文様は、可視的物質世界を超えて広がる無限のパターンを構成している。イスラム世界の多くの人々にとって、これらの文様はまさに無限の(したがって遍在する)、唯一神アラー(イスラムで言う無明時代では「アラート」という女神)の創造のありのままを象徴する。さらに言うなら、イスラムのアラベスク芸術家は、キリスト教美術の主要な技法であるイコンを用いずに、明確な精神性を表現しているとも言えよう。 == 歴史 == アラベスク形式の幾何学的文様を用いた芸術作品は、イスラム世界でも、黄金時代(750年頃 - 1200年頃)を迎えるまでは広く使用されていなかった。イスラム黄金時代には、バグダードの知恵の館では古典古代のギリシャ語やラテン語のテキストがアラビア語に翻訳されていた。また後のヨーロッパのルネサンスのように、数学、科学、文学、歴史などの研究がイスラム世界に大々的に広まり、プラトンや、とりわけユークリッドの著作が教養人の間で人気を博した。 事実、アラベスクの原型となった様式の発生を促したのは、まさにユークリッド幾何学であり、ピタゴラスが体系化し、Al-Jawhari (800年 - 860年頃)が拡張した三角法の基礎であり、Al-Jawhariの『ユークリッド原論注釈』であった。また、我々の届かないところに永遠不滅の完璧な存在がある、とするプラトンのイデア論もアラベスクの発展に影響があったと考えられる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アラベスク」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Arabesque (Islamic art) 」があります。 スポンサード リンク
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