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アリアン6()は欧州宇宙機関(ESA)が開発中のアリアン5の後継機となる人工衛星打ち上げ用使い捨て型ロケット(ELV)であり、2020年の初打上を目指している。開発の承認は2014年12月のESA閣僚級理事会で行われた。機体構成は、2014年夏に大きく変更され、打上能力を調節するためにA62とA64という2つのタイプで構成することになった。A62とA64の違いは、1段として使われる固体ロケットモータP120の使用本数であり、A62は2本、A64は4本を装備する。このP120は、新たに改良されるヴェガCロケットの1段を共用することにして開発コストの低減を目指す。 中央のコアブースターは2段の位置づけになり、アリアン5ECAで使われている液体酸素/液体水素を推進剤とするヴァルカンIIエンジンを使用する。3段には中止されたアリアン5ME用に新たに開発を行っていた液体酸素/液体水素を推進剤とするヴィンチ(Vinch)エンジンを採用することになった。A62は静止トランスファ軌道(GTO)へ5トン、A64はGTOへ10.5トンの打上能力となる。 == 経緯 == アリアン6の構想はアリアン5の検討が本格化した1980年代半ばに開始された。当初はエルメスとアリアン5による部分再使用型打ち上げ機システムの後継と位置づけられており、完全再使用型の単段式宇宙往還機(SSTO)とされていた。また、これに関連して、同時期にSSTOとして検討が進められていたHOTOLをアリアン6とする報道もあった。しかし、1990年代にはエルメスもHOTOLも景気の悪化に伴い予算難に陥り、計画は中止された。これによってアリアン5はELVとして開発が継続されることとなり、その後継機であるアリアン6も、より広範な検討が進められることとなった。 2000年代前半には、2020年代に実現予定の再使用型打ち上げ機(RLV)のバックアップとして位置づけられていた。その後、2004年に開始されたFuture Launcher Preparatory Programme(FLPP)において要素技術研究が行われた結果、RLVは技術的飛躍が大きく、開発コストが高いことなどから、2020年代での実現は困難であると判断された。これによりRLVの実現は2030年代へ先延ばしされ、アリアン6は従来型ELVとして検討を継続することとなった。2008年に20種類の候補のうちからコアステージに使用する燃料やエンジンサイクルが異なる4種類の構成へ絞り込まれ、2012年から2013年にかけて最終的にPPH案が採用された〔〔。 開発開始の最終決定は2012年11月のESA閣僚級理事会で行われ、その後、EADS アストリアムと協力会社6社が提案したロケット構成案をESAとフランス国立宇宙研究センター(CNES)が了承した。この段階では2021年の初飛行を目指していた。ペイロード1tあたりのコストはアリアン5ECAと比べて30%から40%減となる予定〔ESA、欧州次期主力ロケット「アリアン6」の基本構成を発表 response.2013.7.17〕〔ESA、アリアン6ロケットの基本構成をまとめる sorae.jp 2013年7月12日〕であったが、スペースX社のファルコン9ロケットの台頭により、さらにコスト削減が必要になり、フランスとドイツの間で駆け引きが行われていた。 アリアン6は、アリアン5のように2機の衛星を同時に打ち上げるのでは無く、1機単独で打ち上げる事を考えて打上能力は低めに設定されていたが、結局、アリアン5の後継機として2機の衛星を同時に打ち上げられる形態に戻された。 2014年6月に、Airbus Defence and Space社とサフラン(Safran)社がアリアン6の新たな機体構成案を提案したことにより、従来のESAの構成案が吹き消されてしまった、その後はフランスとドイツの間で政治的な駆け引きが行われた。ドイツは商業市場への強力な武器になるアリアン5ME(アリアン5 ECAの改良型)の開発を行うべきと主張。ただし、既存のアリアン5ECAよりもコストは高くなるため、ESAからアリアンスペース社への支援(年間約100millionユーロ)を継続する必要があった。一方、フランスは、アリアン5MEよりもアリアン6を開発すべきと主張した。ドイツは、まずアリアン5MEを開発した後アリアン6へ移行すべきだとしたが、フランスはそれではアリアン6のデビュー時期が遅れ商業市場を失うと反対した。両方を開発する予算的な余裕は無いことから、結局アリアン6の開発に進むことになり2014年12月に合意した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アリアン6」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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