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アルカス : ウィキペディア日本語版
アルカス

アルカス () は、ギリシア神話の人物である。アルカディアリュカーオーンの娘カリストーゼウスの子。
アルカスはアミュクラースの娘レアネイラ、クロコーンの娘メガネイラ、あるいはニュンペーのクリューソペレイアを妻とし、エラトスアペイダースをもうけた〔アポロドーロス、3巻9・1。〕。あるいはニュムペーのエラトーとの間にアザーン、アペイダース、エラトスをもうけたともいう。また庶子アウトラオスのほかに〔パウサニアス、8巻4・2。〕、ペラスゴス、ヒュペリッペー、ディオメネイア、エリュマントス、トリピューロスという子供がいたといわれる〔パウサニアス、2巻14・4、5巻1・4、8巻9・9、8巻24・1、10巻9・5。〕。
== 神話 ==
アポロドーロスによれば母カリストーはゼウスの子を身ごもったため、ゼウスはヘーラーに知られないようにカリストーを牝熊に変えた。しかしヘーラーはアルテミスを説得し、カリストーを射殺させた。あるいはカリストーは処女の誓いを守らなかったためアルテミスに射殺された。そのためゼウス(あるいはヘルメース〔パウサニアス、8巻3・6。〕)はアルカスを取り上げて、アルカディアでマイアに育てさせた〔アポロドーロス、3巻8・2。〕。アルカスはニュクティーモスの死後アルカディアの王となり、トリプトレモスから穀物をもらって、人々にパンの作り方を教え、アドリスタースからは紡績を学び、人々に織物を教えた。またペラスギアと呼ばれていた王国を自分にちなんでアルカディアと呼んだ。後にアルカスは子供たちが成長したときにくじを作って子供たちに引かせ、王国を3分して継承する土地を決めさせた〔パウサニアス、8巻4・1。8巻4・3、53・6、53・9。〕。
オウィディウスによれば、母カリストーはゼウスの子アルカスを身ごもったが、アルカスを出産するとヘーラーによって牝熊に変えられた。その後アルカスは15歳のときエリュマントス山で狩りをしている最中に牝熊と出会った。アルカスはそれが母カリストーだとは思いもせずに殺そうとし、ゼウスは突風で2人を天に運び、2つの星に変えた。するとヘーラーは怒ってオーケアノステーテュースに頼み、2人が海に沈んで水を浴びることがないように頼んだため、アルカスとカリストーは常に天で巡り続けているという〔オウィディウス『変身物語』2巻。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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