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アルセイルの氷砦 : ミニ英和和英辞書
アルセイルの氷砦[あるせいるのひょうさい]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [こおり, ひ]
 【名詞】 1. ice 2. hail
: [とりで]
 (n) fortress

アルセイルの氷砦 : ウィキペディア日本語版
アルセイルの氷砦[あるせいるのひょうさい]
アルセイルの氷砦』(アルセイルのひょうさい)はテーブルトークRPG(TRPG)『セブン=フォートレス』のリプレイ作品。ゲームマスター(GM)・リプレイ執筆は菊池たけし
RPGマガジン』14号(1991年7月号)〜21号(1992年2月号)に連載され、後にゲーム・フィールドから単行本、富士見書房(富士見ドラゴンブック)、エンターブレイン(ファミ通文庫)から文庫としてまとめられた。
イラストは連載時は鈴木猛(他数名〔『完結編4:「精霊門をぬけて」』で、佐々野悟がゲストイラストレーターとして明記されている。〕)が担当。単行本の表紙はゲーム・フィールド版、富士見書房版では四季童子エンターブレイン版では石田ヒロユキ、本文挿絵は富士見書房版はみかき未果子、エンターブレイン版は石田ヒロユキがそれぞれ担当している。
『セブン=フォートレス』のリプレイとしては最も初期に発表されたものであり、ゲームシステム『セブン=フォートレス』の発売よりもはるかに前に発表されている。より正確に表現すれば、このリプレイが『RPGマガジン』誌上で人気を博したために、リプレイで使われていた菊池たけしの自作システムたる『セブン=フォートレス』を商業製品として発売する企画が動き出した。
後に「砦シリーズ」と呼ばれることになるリプレイシリーズの第一弾でもある。
== 概要 ==
本作は、元々は『RPGマガジン』に連載されていた『ワープス』のリプレイシリーズ「SLGマガジンシリーズ」〔「SLGマガジン」という編集部のメンバーたちが様々な事件に巻き込まれる現代ドラマシリーズ。『RPGマガジン』2号に第1話(ミステリ編「惨劇への招待状」)が、第5〜6号に第2話(南洋冒険編「ラグネシアの遺跡」)が掲載された。「アルセイルの氷砦」は「SLGマガジンシリーズ」番外編にして「SLGマガジンシリーズ」第三話(ファンタジー編)という位置づけになる。なおSLGとはシミュレーションゲームの略ではないらしい。しかしその真実は謎につつまれている(リプレイ内では「サイケデリックなライト感覚のゴジラ」の略という説が有力視されていた)。〕の番外編として連載された。すなわち「もし『SLGマガジンシリーズ』のキャラクターがファンタジー世界にいたならば」(「SLGマガジンシリーズ」は現代日本を舞台としていた)という仮定で始められた。
この時、菊池たけしはリプレイのゲームシステムに、今まで使っていた『ワープス』ではなく、自作のオリジナルシステムを使用し、世界観も高校時代からあたためていた創作神話を用いた(このシステムと創作神話の背景が後の『セブン=フォートレス』と主八界の原型となる。''主八界#多元宇宙の成り立ち''の節を参照)。連載中にはこのオリジナルシステムの紹介記事は全く書かれず、リプレイ自身も、リプレイを読んでいくうちにゲームシステムが理解できるような書き方にはなっていなかった。読者にとっては「ルールが全くわからないゲームのリプレイ、しかも商品化の予定がないためどんなゲームシステムが調べようもない」という前代未聞のリプレイであった。しかし、「SLGマガジンシリーズの番外編」「SLGマガジンシリーズの人気キャラクターたちが出演するリプレイ」という売り文句で始められたために、ゲームシステムの不明瞭さにもかかわらずリプレイは高い人気を博すことになった。
「SLGマガジンシリーズ」がもともとコメディタッチの強いノリのリプレイだったため、連載初期はおなじみのキャラクターがファンタジー世界で騒動を起こす、というユーモアファンタジーの雰囲気が強かったが、話が進むにつれて展開はどんどんシリアスになっていき、最後は世界の存続をゆるがすような大戦争へと発展していった。PCたちは元ネタである「SLGマガジンシリーズ」のキャラクター設定からは考えられないような、世界を救う英雄/勇者として成長していき、最終回近くでは派手な魔法や剣技のぶつかりあいによる壮絶なバトルを見せることになる。本作以降、菊池たけしは「世界崩壊の危機を演出するリプレイ作家」としての評判を得ることになる。
リプレイの連載後期になるとこの派手なバトルの展開を支えているゲームシステムについての興味も高まっていき、連載の最終回になって初めて『SEVEN=FORTRESS Ver2.11』の名前でリプレイに使用されたゲームシステムが8ページで紹介された。これがユーザーに対して最初に公開された『セブン=フォートレス』のバージョンである。ただし連載全体を通じて『Ver.2.11』が使われているわけではない。『セブン=フォートレス』は連載最終回までの間で何度もルール改訂が行われ、さらに連載中に参加プレイヤーや読者から「キャラクターにこんなアイテムを持たせたい」「こんな魔法を使わせたい」といった要望を積極的に募集し、その要望をゲームシステムに無節操に盛り込んでいったために、ほぼ毎話、ゲームのルールやデータが前回と変更されるような状況であった。『Ver.2.11』は最終回プレイで使われた『Ver.1.26』をさらに調整したバージョンである〔製品化までの『セブン=フォートレス』のシステム変遷についてはファミ通文庫版『フォーチューンの海砦』上巻p308-310。〕。
『アルセイルの氷砦』というリプレイは、いわば一個のゲームシステムを完成させるためのテストプレイ的な位置を持つリプレイであった。この態度は後の「砦シリーズ」のリプレイにも継承されており、『ラ・アルメイアの幻砦』『シェローティアの空砦』〔ただし『幻砦』はシステムのテストプレイの側面こそないが、このリプレイの結果が後の世界観に大きな変化を与えており、2008年にはゲームシステム自体もその世界観の変化に合わせて『セブン=フォートレス メビウス』としてバージョンアップされた。また『空砦』はリプレイの進行と並行してサプリメントが多数刊行されており、巻を追うごとにその内容が反映されている(例えば第1巻と第3巻とでは、PCのスキルに大きな変動がある)。この点で、ゲームシステムの発展に強い影響力を与えていること自体は他の砦シリーズのリプレイと変わらない。〕を除けば、どれも発売前のゲームシステムのテストプレイとして行われている側面を持つ。裏を返せば「砦シリーズ」のリプレイの結果が『セブン=フォートレス』というゲームシステムのあり方に大きく影響していると言え、『セブン=フォートレス』は「砦シリーズ」のリプレイのようなストーリーを誰でも再現できるようにというコンセプトでバージョンを発展させていったTRPGと言える。菊池たけし自身は「『セブン=フォートレス』は砦シリーズのリプレイとあわせてひとつのゲームシステムである」という趣旨を述べている。
時事ネタが多いのも本作の特徴である。これは元々の「SLGマガジンシリーズ」から継承しているノリであり(リアルタイムの現代を舞台にしている「SLGマガジンシリーズ」では時事ネタは自然な流れである)、そのためもあってコメディタッチの強かった序盤の物語では、ファンタジー作品であるにもかかわらず現代社会でしか通用しないようなギャグが連発する。このことについてはそれまである意味で「お堅いファンタジー」が正道とされがちだったTRPG界では革新的なものとして読者に移り、人気の原動力となっている。
ゲームマスターである菊池たけしのマスタリングの面については、非常に行き当たりばったりでアドリブが目立つリプレイになっている。この点についてはゲームマスターの凡ミスやプレイヤーの突拍子もない行動などさまざまな要因があるのだが、とにかく想定外のことが頻発するリプレイであった。そのせいもあって物語をまとめるためにゲーム完結までのプレイ回数がどんどん伸びていき、全3回の予定だった連載は全8回まで延長した〔全3回の予定だったことから、連載時の各話のタイトルに「前編、中篇、後編」とつけていたが、第4話以降は「完結編1」「完結編2」…といったタイトルで続けている。なおこれは『エイリアン魔神国』のパロディでもある。〕。なお、偶然なのか狙っているのかは不明だが、この後の「砦シリーズ」のリプレイの多くもゲームマスターの想定外のことが頻発するリプレイになっている。

ただし、『氷砦』の最終回に関しては、カニアーマーのプレイヤーを務めた峰岸達実による「最終回は実際にはプレイしていません」との発言もある〔TRPG関連の個人ブログにて『海砦』プレイヤー交代事件が語られた折に、峰岸がその旨を投稿している。〕。
連載最終回が掲載された『RPGマガジン』21号では「アルセイルの氷砦」の特集が組まれ、弘司による主人公達四人のイラストが表紙を飾った他、リプレイ以外に「アルセイルの氷砦」関係のさまざまな企画記事が掲載された。前述のルール掲載もその一環である。まだ商品化も決まっていないゲームのリプレイのために雑誌が特集まで行うのは当時としては類を見ないことであり、それだけ『氷砦』が当時の『RPGマガジン』のキラーコンテンツになっていたことが伺える。このときの反響が大きかったこともあってか、『セブン=フォートレス』の商品化プロジェクトが動き出し、『氷砦』完結から数ヶ月の後に商品版『セブン=フォートレス』の紹介という形で『フォーチューンの海砦』の連載が始まった。この時は既に「SLGマガジンシリーズ」でなく、「セブン=フォートレスシリーズ」と銘打たれていた。
各章タイトルの後にBGMが記されるのも一つの特徴である(例:「ラグシア城崩壊 [BGM:INAZUMA KICK]」)。これは2002年の『ナイトウィザード』リプレイ「星を継ぐ者」まで続く。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「アルセイルの氷砦」の詳細全文を読む




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