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アルティスピナクス(''Altispinax'' 「高い棘を持つもの」の意味)は白亜紀前期(バーレーム期)に現在のドイツに生息した大型の獣脚類恐竜の属の一つである。化石は現在のところニーダーザクセン州、オーベルンキルヒェン砂岩(en)で発見された1本の歯のみが知られている。イングランドのヘイスティングス層(en)(バランジュ期)、パーベック層( en )(白亜紀前期)、下部グリーンサンド層群(en)(アプト期)やイングランドとベルギーのウィールドクレイ(en)(オーテリーブ期-バーレム期)などで発見された化石もアルティスピナクスのものとされたことがあるが、おそらくこの属のものではない〔http://archosaur.us/theropoddatabase/Neotheropoda.htm#Altispinaxdunkeri〕〔http://www.dinodata.org/index.php?option=com_content&task=view&id=6014&Itemid=67〕 。以前この属と関連づけられ、アルティスピナクスという名前のもとにもなった長い神経棘をもつ胴椎は、後に分離され、現在はベックレスピナクスとなっている。 ==発見と命名== タイプ種は最初メガロサウルスの一種として''Megalosaurus dunkeri''という名前でWilhelm Barnim Damesにより1884年12月16日に講演の中で命名、記載された〔Dames, W.B. (1885). "Vorlegung eines Zahnes von ''Megalosaurus'' aus den Wealden des Deisters", ''Sitzungsberichte der Gesellschaft naturforschender Freunde zu Berlin, Jahrbuch 1884'', 36: 186-188〕。講演の概要は1885年に出版されたものの、1884年の版であるため、一般に1884年を記載年としている。しかし情報源の中には発表年を1887年とし、''Megalosaurus dunkeri'' Dames vide Koken 1887としめされているものもある。これはタイプ標本の単独の歯がErnst Kokenにより図解された再記載論文が出版された年である〔Koken, E. (1887). "Die Dinosaurier, Crocodiliden und Sauropterygier des Norddeutschen Wealden" dinosaurians, crocodylids and sauropterygians of the North German Wealden , In: ''Geologisch-Palaeontologische Abhandlungen'' 3(5): 311-419.〕。種小名は以前にこの化石をオーベルンキルヒェンの主要な炭層であるにて発見した古生物学者 に献名されたものである。ホロタイプは標本番号UM 84としてマールブルク大学に収蔵されている〔 1888年、リチャード・ライデッカーはイングランドの白亜紀の地層から発見され、''Megalosaurus bucklandii''のものとされていた断片的な標本を再記載した。''M. bucklandii''はジュラ紀の種であるためライデッカーはこの白亜紀の標本を''M. dunkeri''のものとした〔Lydekker, R. (1888). ''Catalogue of the Fossil Reptilia and Amphibia in the British Museum (Natural History), Cromwell Road, S.W., Part 1. Containing the Orders Ornithosauria, Crocodilia, Dinosauria, Squamata, Rhynchocephalia, and Proterosauria''. British Museum of Natural History, London, 309 pages.〕。この変更により''M. dunkeri''は一般に白亜紀前期のイングランドの獣脚類として考えられるようになった。1923年、フリードリヒ・フォンヒューネは''M. dunkeri''をメガロサウルスから分離し新たな属アルティスピナクスを創設した。属名はラテン語で「高い」を意味する「''altus''」とNeolatinで「棘を持つ」を意味する「''spinax''」から造語されていて、フォン・ヒューネがこの種のものであるとした高い神経棘のある胴椎の標本BMNH R1828から発想されたものである。タイプ種''M. dunkeri''は暗黙のうちに新しい名前の組み合わせ''Altispinax dunkeri''となったが、実際にはこの組み合わせは1923年の論文では使用されなかった〔Huene, F. von (1923). "Carnivorous Saurischia in Europe since the Triassic". ''Bulletin of the Geological Society of America'', 34: 449-458.〕。最初にこの組み合わせを実際に使用したのは1939年のである〔Kuhn, O. (1939). ''Saurischia — Fossilium catalogus I, Animalia, Pars 87''. 's-Gravenhage, W. Junk, 1939, 124 pages.〕。1926年、フォン・ヒューネは通常の慣行に反して、椎骨が''M. dunkeri''の標本に属していることを示した上で、椎骨に基づいて再びアルティスピナクスを命名した〔Huene, F. von (1926). "The carnivorous Saurischia in the Jura and Cretaceous formations, principally in Europe". ''Revista del Museo de La Plata''. 29: 1-167.〕しかし、このような2度目の命名行為には正当性が無い。 1926年以降、アルティスピナクスは一般的に背中に帆のあるイギリスの恐竜とされるようになった。しかし、20世紀後半になってタイプ標本であるドイツで発見された歯の化石には属を識別する特徴が無く、椎骨と関連付けられる理由はなくアルティスピナクスは疑問名(''nomen dubium'')であると理解されるようになる。1988年、は一連の椎骨をこの種から分離し、アクロカントサウルスの種''Acrocanthosaurus? altispinax''とした〔Paul, G.S., 1988, ''Predatory Dinosaurs of the World''. Simon & Schuster, New York 464 pp〕。疑問符が付いているように、ポール自身この属名は一時的なものと考えていた。そこで、1991年、は神経棘の長い椎骨にちなんで新属ベックレスピナクスとして命名した〔Olshevsky, G. (1991). ''A revision of the parainfraclass Archosauria Cope, 1869, excluding the advanced Crocodylia. Mesozoic Meanderings 2'', 196 pp.〕。 アルティスピナクス属には他に4つの種が命名された。1923年、フォンヒューネは中足骨の標本BMNH R2559に基づく ''Megalosaurus oweni'' Lydekker 1889を改名し''Altispinax oweni''とした〔。1991年、オルシェフスキーはこの種を新属ヴァルドラプトルと命名した〔。1932年、フォン・ヒューネは''Megalosaurus parkeri'' Huene 1923を改名し''Altispinax parkeri''とした〔Huene, F. von (1932). ''Die fossile Reptil-Ordnung Saurischia, ihre Entwicklung und Geschichte''. Monographien zur Geologie und Palaeontologie, Series 1, vol. 4(1-2), 361 pages〕。この種1964年に独自の属名があたえられ、メトリアカントサウルス()となった。2000年、Oliver Wilhelm Mischa Rauhutは1923年のフォン・ヒューネによる命名は''Altispinax dunkeri''という組み合わせには言及しておらず、不正当であると推定し、1926年の命名が正当なものであり、椎骨に付与されたものだと考えた。そしてベックレスピナクスの名は余分なものであり、アルティスピナクスを維持した新しい組み合わせである''Altispinax altispinax''が椎骨の恐竜の名であるとした〔Rauhut, O.W.M. (2000). ''The interrelationships and evolution of basal theropods (Dinosauria, Saurischia)''. Ph.D. dissertation, University of Bristol, 440 pp.〕。この名前はそれゆえベックレスピナクスの新参同物異名である。同じことは1995年にS. Pickeringが椎骨に使用した裸名(''nomen nudum'') ''Altispinax lydekkerhueneorum''についてもいえる〔Pickering, S. (1995). ''Jurassic Park: Unauthorized Jewish Fractals in Philopatry, A Fractal Scaling in Dinosaurology Project'', 2nd revised printing, Capitola, California, 478 pp.〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アルティスピナクス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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