翻訳と辞書
Words near each other
・ アンナ・ザドロズニュク
・ アンナ・シェドレツカ
・ アンナ・シェパード
・ アンナ・シェルシャク
・ アンナ・シェヴィエルスカ
・ アンナ・シェーファー (聖人)
・ アンナ・シドロワ
・ アンナ・シドロヴァ
・ アンナ・シフィドニツカ
・ アンナ・シュウエル
アンナ・シュトレイム
・ アンナ・シュミエドロバ
・ アンナ・シルク
・ アンナ・シードロワ
・ アンナ・シードロヴァ
・ アンナ・スイル
・ アンナ・ステラ・シック
・ アンナ・ステン
・ アンナ・スマシュノワ
・ アンナ・スマシュノワ・ピストレッシ


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

アンナ・シュトレイム ( リダイレクト:マリア・アンナ・シュトレイム ) : ウィキペディア日本語版
マリア・アンナ・シュトレイム

マリア・アンナ・シュトレイム(,1801年8月30日 - 1870年2月3日)は、音楽家ヨハン・シュトラウス1世の妻で、シュトラウス3兄弟の母親。ファーストネームはマリアであるが、もっぱらアンナと呼ばれる。
== 生涯 ==

1801年、居酒屋の娘として誕生する。楽団でギターを弾き歌っていたアンナは、3歳年下の音楽家ヨハン・シュトラウス1世と恋仲になった。やがて妊娠をきっかけに1825年7月11日にヨハンと結婚し、その三か月後の10月25日に長男ヨハン2世を出産する〔 小宮(2000) p.39〕。1827年8月20日には次男ヨーゼフを産む。アンナがふたりにピアノを習わせた結果、兄弟はABCより先に二分音符を五線譜に書き付け、その意味を理解できるようになったという。1830年のある日、アンナは実父のアパートに息子を連れていった。そこの小さなピアノを使ってヨハン2世が『最初の楽想』というワルツを作曲したのを目撃したアンナは、それを譜面に書き写したという。
やがて夫ヨハンは家庭内暴力を振るうようになり、エミーリエ・トランプッシュという愛人を作ってその家に入り浸り、アンナのもとにはろくに生活費を送ってこないようになった〔。そこでアンナは、夫に対する復讐を決意する〔 小宮(2000) p.46〕。
ヨハン1世はわが子にピアノを習わせることには反対しなかったものの、絶対に音楽家にはさせないと考えていた〔 小宮(2000) p.43〕。音楽家である父親の影響を受けた息子ヨハンは、近所の子供たちにピアノを教えて、その授業料で買ったヴァイオリンでひそかに練習するのが日課であった。しかしヨハン1世はそれを見つけて激怒し、息子の手からヴァイオリンをもぎ取って叩き壊してしまった〔。それに対してアンナは、すぐさま別のヴァイオリンを息子に買い与えた〔。息子を夫以上の音楽家に育てあげて夫を見返してやろうと考えたのである。1844年にヨハン2世が音楽家デビューすると、アンナは夫と正式に離婚した〔倉田(2006) p.176〕。息子のデビューが大成功をおさめたのを片隅で見ていたアンナは、ヨハン2世を抱いて喜びに泣き崩れたという。
1849年にヨハン1世が死去すると「ヨハン・シュトラウス」という大看板はひとつだけになった。ヨハン2世は非常に忙しくなり、しばしば再起不能かと思われるほどの重病に倒れるようになった〔 小宮(2000) p.102〕。これを危惧したアンナは、嫌がる次男ヨーゼフを強引にヨハンの代役に仕立てた〔。こうしてヨーゼフを音楽の道に引きずり込んだアンナは、ヨハンを大看板とした一家総出の音楽産業の展開をもくろみ、さらに四男エドゥアルトをも音楽の道に引きずり込んだ〔。アンナによって音楽家となった三人の息子たちはいずれも大成功をおさめた。兄弟それぞれが豊かな才能に恵まれていたものの、その功績はほとんど看板であるヨハンの陰に隠れてしまうため、ヨーゼフとエドゥアルトは兄に激しく反発した〔 小宮(2000) p.105〕。そのため、シュトラウス3兄弟の精神的支柱だったアンナは、たびたび「兄弟で仲良く」と諫めた〔。
1870年2月3日、68歳で他界し、ウィーン中央墓地へ埋葬された。シュトラウス3兄弟の「ゴッドマザー」であるアンナの死を悼み、当日のウィーンの舞踏会はすべて中止になったという。同年7月22日にはアンナに続いてヨーゼフも急死した。ヨハン2世は母と弟の思いがけない死にショックを受け、宮廷舞踏会の楽長などのあらゆる公的な仕事から手を引き、エドゥアルトに譲ってしまった〔志鳥(1985) p.205〕。現在、アンナは同時期に死んだ次男ヨーゼフと同じ墓に入っている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「マリア・アンナ・シュトレイム」の詳細全文を読む




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.