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アヴィス家 ( リダイレクト:アヴィス王朝 ) : ウィキペディア日本語版
アヴィス王朝[あう゛ぃすおうちょう]
アヴィス王朝(Dinastia de Avis、)は、ポルトガル王朝ポルトガル最初の王朝であるブルゴーニュ王朝に次いで、1385年から1580年までポルトガル王国を支配した。
創始者であるジョアン1世から最後の国王であるエンリケ1世に至る200年近くの期間のほとんどはポルトガルの「大航海時代」と重複する〔金七「アビス朝」『スペイン・ポルトガルを知る事典』新訂増補版、11頁〕。エンリケ航海王子が実施したアフリカ大陸への進出、ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路開拓によって、大西洋インド洋にまたがる「ポルトガル海上帝国」が出現した〔。香料交易の衰退とともにポルトガルの国力は低下し、1580年にスペイン王フェリペ2世が空位となったポルトガル王位に就き、王朝は滅亡を迎える。
== 歴史 ==

=== 成立の背景 ===
13世紀のレコンキスタの達成後、ポルトガル社会は封建領主が支配する北部地域、富を蓄えた自治都市のブルジョアジーが影響力を行使する中部地域、騎士修道会が支配する南部地域に三分される〔バーミンガム『ポルトガルの歴史』、33頁〕。1348年秋に流行した黒死病によってポルトガルの総人口は約3分の2に減少し、リスボンコインブラなどの都市部は深刻な被害を受ける〔マルケス『ポルトガル』1、97-98頁〕〔合田「ポルトガルの誕生」『スペイン・ポルトガル史』、369頁〕。黒死病は零細農民の都市部への流入と農村部の人口の減少、黒死病を恐れる貴族や地主による教会・修道院への土地の寄進などの現象を引き起こし、固定地代に依存していた貴族層の経済力は低下する〔。他方、一部の都市ブルジョアジーはワイン、オリーブオイルなどの輸出によって利益を得るようになり、ポルトガル王はリスボン商人を初めとする新興資産家を政治基盤に取り込むために頻繁にコルテス(身分制議会)を開催し、相対的に王権が強化されていった〔。
黒死病の流行前からポルトガルと隣国のカスティーリャ王国の関係は悪化しており、ポルトガル王フェルナンド1世はカスティーリャ王国の王位継承権を主張して3度の戦争を実施するが、戦争はポルトガルの敗北に終わる〔合田「ポルトガルの誕生」『スペイン・ポルトガル史』、370頁〕。戦争の結果ポルトガルの国土は荒廃し、戦後の和約でカスティーリャ王フアン1世とフェルナンドのただ一人の子であるベアトリスの結婚が取り決められたため、ポルトガルがカスティーリャに併合される可能性が生じる〔。
1383年10月にフェルナンド1世が没した後、ベアトリスがポルトガル女王に即位し、大貴族メネゼス家出身の王妃でベアトリスの母であるレオノールが摂政となった。戦争に疲弊し、経済的に困窮する都市の下層民や職人層の反乱がベアトリスの即位前から各地で勃発し、都市下層民と一部の貴族はカスティーリャとの戦争で利益を得たレオノールとその寵臣であるオーレム伯アンデイロを悪政の元凶として敵視していた〔合田「ポルトガルの誕生」『スペイン・ポルトガル史』、370-371頁〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 House of Aviz 」があります。




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