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イェスン・テムル : ミニ英和和英辞書
イェスン・テムル[いぇす]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

イェス : [いぇす]
 (int) yes, (int) yes

イェスン・テムル : ウィキペディア日本語版
イェスン・テムル[いぇす]

イェスン・テムルモンゴル語:、Yesün-Temür漢字:也孫鉄木兒、 1293年11月28日 - 1328年8月15日)は、モンゴル帝国)の第10代皇帝(大ハーン)。『集史』などのペルシア語表記では ييسون تيمور Yīsūn Tīmūr。漢風の廟号はなく、一般に即位当時の元号を用いて泰定帝と呼ばれる。
伝統的な遊牧生活を重んじる人物であったが〔B. Shirėndėv, Sh Luvsanvandan, A. Luvsandėndėv – Olon Ulsyn Mongolch Ėrdėmtniĭ III Ikh Khural, 347頁〕、しばしば研究者からは暗愚な人物と評価される〔ドーソン『モンゴル帝国史』3巻、192頁〕〔杉山『モンゴル帝国の興亡(下)世界経営の時代』、202頁〕。
== 生涯 ==

=== 即位前 ===
父のカマラは、世祖クビライの皇太子チンキムの長男で、チンキムの死後、祖父によって晋王に封ぜられていたが、クビライの死後に弟テムルとの間で行われたハーン位継承をめぐる議論に敗れ、帝位から外れた。カマラがテムルに先立って1302年に没すると、幼い長男イェスン・テムルが晋王の爵位を継ぎ、北方の防備にあたった〔愛宕「泰定帝(元)」『アジア歴史事典』6巻、50頁〕。晋王となったイェスン・テムルはモンゴル高原に広大な領土と兵力を有し〔Herbert Franke, Denis Twitchett, John King Fairbank-The Cambridge History of China: Alien regimes and border states, 907–1368, 535頁〕、モンゴル高原遊牧民諸部族を代表する立場に置かれた〔。その後、帝位はテムルとそのすぐ上の兄ダルマバラの子孫の間で推移し、イェスン・テムルはモンゴル高原に駐留してそれに関わることはなかった。
1323年御史大夫テクシが英宗シデバラと丞相バイジュの暗殺計画を立てた時、大都の宮廷の重臣に対抗できる権威を持つ人物として、モンゴル高原の遊牧勢力を統率するイェスン・テムルの擁立を図った〔テクシの計画が実行に移される前、トール川流域に駐屯していたイェスン・テムルの元にハーン位に就くことを要請するテクシの密使が送られた〔ドーソン『モンゴル帝国史』3巻、188頁〕。イェスン・テムルは密使を拘束してシデバラに計画を知らせようとしたが、計画の発覚を恐れたテクシ達はイェスン・テムルの返答が届く前にシデバラとバイジュを殺害する〔〔杉山『モンゴル帝国の興亡(下)世界経営の時代』、204頁〕()。印璽と綬などの大ハーンの持ち物がイェスン・テムルの元に届けられ、1323年旧暦9月にイェスン・テムルはケルレン川で即位を宣言し、大赦を発した〔。
当初イェスン・テムルはテクシ達を重職に就けようと考えていたが、シデバラの暗殺計画に関与していた疑いをかけられることを恐れ、先手を打ってテクシ一党を処刑、追放した〔ドーソン『モンゴル帝国史』3巻、188-189頁〕。
1323年旧暦12月にイェスン・テムルは大都に入城し、翌1324年初頭に息子アリギバを皇太子に指名する。先々代のハーンである仁宗アユルバルワダは即位に際して兄カイシャンの子を帝位に就けることを約していたが、カイシャンの子たちは遠方に流されていたため、イェスン・テムルは容易にハーン位を獲得できた〔ドーソン『モンゴル帝国史』3巻、193頁〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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