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イカタケ
イカタケ(''Aseroë arachnoidea'' E. Fischer)は担子菌門ハラタケ亜門のハラタケ綱スッポンタケ亜綱に属し、スッポンタケ目スッポンタケ科のアカイカタケ属に分類されるキノコの一種である。 == 形態 == 未熟で幼い子実体は白色の殻皮外層に包まれた球状をなし、径1-4 cm程度、基部には細かく枝分かれした細い紐状の根状菌糸束を備える。殻皮は、白色で薄く強靭な皮質の外層と、やや堅いゼラチン質で半透明な厚い殻皮中層および無色透明でごく薄いが強靭な殻皮内層に区分され、これら三重の層に囲まれて托が形成される。托の頂部には円錐状に折りたたまれた腕があり、これに囲まれて灰緑色ないし帯オリーブ黒褐色の胞子塊(基本体)が認められる。 じゅうぶんに成熟すると頂部が裂開して托が伸長し始め、成熟時には全体の高さ5-10 cm程度に達し、殻皮の各層は袋状に一体化したまま托の基部に残ってつぼを形成する。托の頂部には、放射状に配列した7-15本程度の腕が形成され、初めは托の上端に載った泥状の胞子塊を囲むように直立・密集しているが、托がじゅうぶんに伸長した後、不規則に伸縮しながら放射状に展開し、成熟した子実体ではイソギンチャクあるいは逆さに立ったイカを連想させる形をとる。托は白色で径1-3 cm程度になり、中空で折れやすく、その壁は1-2層に配列した多数の泡状の小室で構成されている。托の上端から放射状に伸び広がった腕は白色を呈し、先端に向かって鞭状に細まり、中途で分岐することなく、内面にはちりめん状の横じわを備え、内部は管状に中空で隔壁を生じない。托の上端に載った胞子塊は次第に粘液状の塊となり、しばしば腕同士の間隙からしたたり落ちることがあり、魚肉が腐敗したような悪臭を放つ〔吉見昭一、1983.カラー版自然と科学31 おどるキノコ―イカタケのひみつ.岩崎書店、ISBN 978-4-265-94231-2〕〔小川眞(編著)、1987. マイフルールシリーズ見る・採・食べる きのこカラー図鑑. 講談社、東京. ISBN 4-06-141391-0〕。 胞子は狭楕円形で無色・薄壁、油滴を欠く。担子器は、子実体の生長に伴ってすみやかに消え去るため、その所見については知られていない。托や腕の壁は、無色で薄い壁を備えた球形細胞の集合体で構成されている。殻皮外層は、やや厚い壁を備えた細い菌糸が密に絡み合って形成されており、殻皮中層では菌糸はまばらに絡み合い、菌糸同士の間隙を無色のゼラチン質が満たしている。殻皮内層においては、菌糸は細いが明らかに厚壁で、密に絡み合うとともにその間隙にはゼラチン質が存在している。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イカタケ」の詳細全文を読む
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