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イガルク : ウィキペディア日本語版
イガルク
イガルク ()は、北米極北地方に住むエスキモー先住民族(特にカナダイヌイット)の神話に登場するである。イガルクは至高神とされ、全ての物質や自然を支配している。グリーンランドではアニンガンと呼ばれる。
== 神話 ==
イガルクはある村で姉妹であるマリナと暮らしていた。若い頃は同じ家に住んでいたが、成長すると、男女それぞれのロッジで分かれて住むようになった。離れてみると、マリナは村の娘の誰よりも美しいことがわかった。イガルクはある日、誰もが眠りについた深夜を狙ってマリナを強姦した。それは三夜続いたが、三日目の夜、マリナがランプのすすを手に取り、イガルクの顔に塗りつけた。事が終わり、イガルクが男のロッジに帰った後、マリナはランプを取って男のロッジの屋根にのぼり、天窓を通して見てみると、彼女の兄弟が犯人であることがわかって驚いた。
兄弟に強姦されたことを怒ったマリナはナイフで自らの胸を削ぎ、それを持ってイガルクのもとへ行った。「私を存分に楽しんだなら、これを食べなさい」と投げつけると、マリナは松明を掴んで逃げた。イガルクは同じように松明を取り、彼女の尻を追いかけた。彼女の逃げた後は血の跡が点々と付いていて、容易に追いかけることが出来たが、イガルクは躓いて松明を落としてしまい、わずかな燻りを残して火は消えてしまった。
マリナはそのまま空のかなたへ逃げて太陽になり、それを追いかけてイガルクもまた月になった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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