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イギリスの君主(イギリスのくんしゅ、)はイギリスとその海外領土の立憲君主である。現在の君主はエリザベス2世であり、1952年2月6日から王位に就いている。エリザベス2世とその直近の王族は、さまざまな公務、儀式、国の代表としての職務を行う。勲章の授与、議会の解散、首相の指名といった女王の権能は、立憲君主として特定の党派や主義に偏らないよう制限されている。イギリス政府の行政権は究極的には君主の大権によっているが、これらの権限は議会の制定した法律にのっとってのみ用いることができ、しかも実際には慣習と先例によっても制約を受けている。 イギリスの君主の起源は、と初期のスコット人の王にまでさかのぼる。1000年頃には、中世初頭のブリテン島にあった小さな王国から、イングランド王国とスコットランド王国が大きく成長していた。最後のアングロ・サクソン人の王であるハロルド2世が1066年のノルマン人の侵略に負けて殺されると、イングランドの君主の地位はノルマン人の征服者であるノルマンディー公に移った。これ以来イングランドの君主は、ノルマンディー公の采地であったマン島やジャージー、ガーンジーの元首をも兼ねているが、これらの地は厳密にはイングランドや連合王国に含まれず、イギリスの王室属領とされている。13世紀には、ウェールズ公国がイングランドに吸収されるとともに、マグナ・カルタによって国王の政治的な権力が削がれ始めた。 1603年にスコットランド王ジェームズ6世がジェームズ1世としてイングランドの王座を継承してから、両王国は同一の君主によって統治されることになった。1649年から1660年までの間は、 三王国戦争に続く共和政イングランドによってイギリスの君主制の伝統は断たれていた。1701年の王位継承法(現在も法的に有効)によって、カトリック信徒およびカトリック信徒と結婚したものがイギリス王位の継承から排除された。1707年にはイングランドとスコットランドがグレートブリテン王国として統一され、1801年にアイルランド王国も加わってグレートブリテンおよびアイルランド連合王国が成立した。イギリスの君主は、1921年の最大時で世界の表面の4分の1をカバーしていた大英帝国の名目上の君主にもなった。 1920年代にはアイルランドの6分の5の州がアイルランド自由国として連合から脱退し、1926年のバルフォア宣言では帝国内の自治領がイギリス連邦に加盟する自治国家として分離することを承認した。第二次世界大戦のあとイギリスの植民地と海外領土のほとんどが独立し、帝国は事実上の終焉に追いやられた。 ジョージ6世とその跡を継いだエリザベス2世は、連邦に加盟する独立国の自由な連合の象徴として、()という称号を採用した。また王室属領に対してはやノルマンディー公の称号を用いている。 英連邦には共和国も君主国も含まれる。現在、イギリス以外の15の連邦加盟国がイギリス君主と同じ人物を自国の君主として戴いている。''British monarchy'' や ''British monarch'' という言葉は、英連邦王国に属する16の国々が共通して君主として戴いている人物とその君主制を指したり、その16の独立国それぞれにおける君主制を指したりするのに今なお頻繁に用いられる。これは、法域ごとに個別の、国の公式の称号とは異なる場合が多い()。 ==憲法上の役割== 不文法であるイギリスの憲法では、君主(Monarch または ''Sovereign'', ''the Crown''(国王 (法人)を参照), ''His/Her Majesty'' 邦訳は陛下 。略称 H.M. とも)が国家元首である。女王とその法律上適格な後継者に対しては忠誠の誓いがなされる〔e.g. 〕。「女王陛下万歳」(あるいは「国王陛下万歳」)がイギリスの国歌であり、君主の肖像が切手や硬貨、紙幣に表現される。 国王が政府に直接的に関与することは少ない。The decisions to exercise 主権行使の決定権は、法律または慣習法によって国王から大臣や官吏など、国王個人を除く行政機関に委任されている。そのため、国王による任命〔Crown Appointments Act 1661 c.6〕など王冠の名の下に行われる国家的行為は、女王演説やのように国王が一人で行うものであっても、他の機関が決定したところによって行われる: *立法権は議会における女王が、貴族院と庶民院からなる議会の助言と承認によって行使する。 *行政権は女王陛下の政府が行使する。政府はたち、主として首相と内閣によって構成され、名目上は枢密院の一委員会である。政府は、イギリス軍、に加え、やイギリス情報局秘密情報部といったその他の官吏の指揮権を持っている(女王は首相よりも早く外国の機密情報を受け取ることがある〔"In London, the revelations from *司法権は憲法と法律によって〔s3. Constitutional Reform Act 2005〕政府から独立している司法機関に付与されている。 *国王を首長とするイングランド国教会は、独自の立法/司法/行政機構を持っている。 *政府から独立している権能は、法律や枢密院勅令、王立委員会などの命令によって法的に付与される。 *議員と地方自治体を除いて、選挙によって選ばれる官吏は存在しない。 国王の立憲君主としての役割は大幅に制限され、の授与など、特定の党派や主義に偏らないものとなっている。この役割は19世紀から認識されていた。憲法についての著作をもつウォルター・バジョットは、1867年、国王は政府の「名の部分」"dignified part" であって、「実の部分」"efficient part"ではない、とした〔Bagehot, p. 9.〕 。また、「時々起こる危機に備えてイギリスには国家元首が必要だ」と主張されてきた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イギリスの君主」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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