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イグチ科は真正担子菌綱のイグチ目に属するキノコ。かさの裏面は通常のキノコのようなひだ状ではなく、菅孔と呼ばれる微細なチューブ上の構造を備え、その内壁面に胞子を形成する。しかし、中にはキヒダタケ属のように子実層托がひだ状のものや、ジャガイモタケ属のように、ひだも管孔もなくだんご状の外観を持つものも存在する。ハラタケ目のきのこ同様に広く分布しており、茸狩りを行なう人には非常に人気のあるきのこである。一般には「イグチ」と総称される。 かつて、イグチ科のきのこは、人間が食用に供しても比較的安全な仲間と思われていたこともあり、毒性の強いテングタケ属のような有毒種と混同するような要素も少ないので、キノコ狩りの初心者にとっても好適なものであるとされてきた。目の細かいスポンジのようなかさの裏面・一般に太くて丈夫な肉質の柄の質感などによって、ハラタケ類に属する種との識別も比較的たやすい。 しかし、日本以外のイグチ科のきのこによる死亡例や、日本における有毒種ドクヤマドリの存在などを鑑みれば、イグチの仲間だからと言って安易に口に入れることは避けるべきである。 ==下位の分類群== 近年の、DNA解の塩基配列の解析に基づく菌類分類体系の改変によって、従来はこの科に分類されていたいくつかの属が除外・移籍された。とはいえイグチ科は、未だに多数の属を包含した大きな科である。最新の分類では、約30属がイグチ科に置かれている。 かつてイグチ科に包含されていた多くの属が分離され、より小さい別の科に移されている。それらは外見的にはよく似ているが、分子系統学的な知見をもとに、互いの系統関係はさほど近いものではないと考えられるに至ったためである。このような分類学的再検討が行われた代表的な例として、粘液層におおわれたかさをもつヌメリイグチ属 ''Suillus'' が独立したヌメリイグチ科 Suillaceae に移されたケースが挙げられる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イグチ科」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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