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イシュ・チェル(イシュチェルとも。Ix Chel)は、マヤ神話において、洪水・虹・出産等を司る女神である〔加藤 (2013)、83頁。〕〔ミラー&タウベ,武井訳 (2000)、58頁。〕。イツァムナーの妻で〔桂 (2000)、50頁。〕人間に対する破壊神としての面も持つ〔。 == 解説 == イシュ・チェルの名は「虹の婦人」を意味する〔ほか、「月の女神」の意味があるという説もある〔〔。また、『』にみられる異名〔としてチャック・チェル〔〔(Chac Chel〔。「水(雨)の婦人」の意〔)がある。 頭に蛇を置き、交叉した骨が刺繍されているスカートをはいた姿で表される〔〔〔。さらに『ドレスデン絵文書』では老女として描かれている〔。 イシュ・チェルは怒ると、天の水瓶を用いて地上に大雨を降らせ、さらに「空の虹」に助力して洪水を引き起こす。ゆえにイシュ・チェルは「怒れる老女」とも呼ばれている〔。 この女神を鎮めるには、常に生け贄を捧げなければならないとされる〔桂 (2000)、51頁。〕。また、マヤ暦での第3の月シップ(シプ)には、イシュ・チェルの祭が行われたという〔。 後古典期前期にコスメル島に神託所がつくられ、多くの女性巡礼者を集めた〔〔。また、対岸付近にあるトゥルムの神殿にも壁画が描かれた。他にも、ハイナ島から出土する土偶にもイシュ・チェルを模したと考えられるものがあるなど、商人たちからも広く信仰をあつめていたことがわかる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イシュ・チェル」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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