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シャリーア( Shari'a)は、コーランと預言者ムハンマドの言行(スンナ)を法源とする法律。1000年以上の運用実績がある。ローマ法を起源としないイスラム世界独自のものである。イスラム法、イスラーム法、イスラーム聖法などとも呼ばれる。 シャリーアはコーランと預言者ムハンマドの言行(スンナ)を法源とし、イスラム法学者が法解釈を行う。イスラム法を解釈するための学問体系(イスラム法学)も存在し、預言者ムハンマドの時代から1000年以上、法解釈について議論され続けている。法解釈をする権限はイスラム法学者のみが持ち、カリフが独断で法解釈をすることはできないとされる。預言者ムハンマドの言行録はハディースとよばれ預言者の言行に虚偽が混ざらぬように、情報源(出典)が必ず明記される。 シャリーアは民法、刑法、訴訟法、行政法、支配者論、国家論、国際法(スィヤル)、戦争法にまでおよぶ幅広いものである。シャリーアのうち主にイスラム教の信仰に関わる部分をイバーダート(儀礼的規範)、世俗的生活に関わる部分をムアーマラート(法的規範)と分類する。イバーダートは神と人間の関係を規定した垂直的な規範、ムアーマラートは社会における人間同士の関係を規定した水平的な規範と位置づけられる。 また、イスラム共同体(ウンマ)は、シャリーアの理念の地上的表現としての意味を持つとされる。 シャリーアが六法全書と国際法を合わせたような性格を持つようになったのは、預言者ムハンマド自身が軍の指揮官であり国家元首であったことが大きく関わっている。 シャリーアでは、異教徒との戦闘において、異教徒に「ジズヤ(人頭税)を払う」と言われてしまうと、カリフには講和を拒否する権利がない〔https://twitter.com/HKNSSSS/status/512892661544390656〕。 日本語で読める原典に、アブドル=ワッハーブ・ハッラーフ『イスラムの法 法源と理論』(中村廣治郎訳、東京大学出版会、1984年)と、イブン・ザイヌッディーン『イスラーム法理論序説』(村田幸子訳解説、<イスラーム古典叢書>岩波書店、1985年)がある。 == 法源 == 正確には、法源(ウスール・ル=フィクフ)は、以下の4つ(詳細はスンナ派を参照)。 # コーラン # 預言者の言行(スンナ、それを知るために用いられるのがハディース) # 特定のケースにおけるイスラム法学者同士の合意(イジュマー) # 新事象にあてはめるためコーランとハディースから導く類推(キヤース) 学派によって違いがあるが、基本的にはこれら諸法源に基づいて、イスラーム国家の運営からムスリム諸個人の行為にいたるまでの広範な法解釈が行われる。法的文言のかたちをとった法源がなく、多様な解釈の可能性があるため、すべての法規定を集大成した「シャリーア法典」のようなものは存在しない。 一般に、上記4法源のうち上にあるものがより優先される。すなわちコーランによる法的判断が最優先され、コーランのみで判断ができない場合にスンナが参照され、スンナでも判断ができない場合にイジュマーやキヤースが参酌される。ただし学派によってはイジュマーやキヤースの参酌自体を認めなかったり、その方法および効力に一定の制限を加えていたりする。 なお、シーア派法学では一般にイマームのみがシャリーアを正しく解釈する能力を持つとされ、法学者を含む一般信徒による解釈より上位にある。そのためシーア派法学では歴代イマームの言行も重要な法源(ハディース)として扱われる。 実際の裁判においては、過去の判例や法学者の見解(ファトワー)、条理なども補助法源として用いられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「シャリーア」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Sharia 」があります。 スポンサード リンク
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