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イタリア国鉄R410蒸気機関車(いたりあこくてつR410じょうききかんしゃ)は、イタリアのイタリア国鉄(Ferrovie dello Stato Italiane(FS))の960mm軌間の路線であるヴァル・ガルデーナ線〔Ferrovia della Val Gardena〕で使用された山岳鉄道用蒸気機関車である。なお、本形式はオーストリア=ハンガリー帝国軍用鉄道〔kaiserlich und königlich Heeresfeldbahn(K.u.K HB)〕IVc形の4151-4157号機として製造された機体が、イタリア国鉄に編入されてR410となったものである。 == 概要 == 現在のイタリア北部の南チロル地方と呼ばれるボルツァーノ自治県は、1919年にイタリア王国領となる以前はオーストリア帝冠領であり、イタリア王国と対峙する前線地帯であった。そのため、1900-10年代には軍用目的の狭軌鉄道がいくつか整備されていたが、その一路線として、インスブルックからブレンナー峠を超えてヴェローナに至る通称ブレンナー線〔Ferrovia del Brennero/Brennerbahn〕沿線でイザルコ川流域のキウーザ/クラウゼン駅から、グレドナー峠(ドイツ語、イタリア語ではガルデーナ峠)越えてイタリア王国方面へ至るルートの兵員輸送用として、峠の手前のセルヴァ・ディ・ヴァル・ガルデーナのプラン駅までが建設された路線がグレドナー線〔Grödner Bahn〕(ドイツ語、イタリア語ではヴァル・ガルデーナ線、ラディン語ガルデーナ方言ではガルデーナ線〔Ferata de Gherdëina〕)である。 グレドナー線(ヴァル・ガルデーナ線)はボスニアゲージと呼ばれる760mm軌間で1915-16年に建設されており、建設工事に当たっては各地より集められた何機種かの軍用鉄道用機関車が使用されていたが、実際の運行を開始するに当たりグレドナー線専用に7機が導入された機体が本項で記述する、後のイタリア国鉄R410 001-007号機であり、製造当初はオーストリア=ハンガリー帝国軍用鉄道のIVc形4151-4157号機となっていた。本形式は、ドイツのクラウス〔Locomotivfabriken Krauß & Comp, München〕のリンツ工場製で、小径の動輪を車軸配置Dとしているが、曲線通過性能を確保するために動軸遊動機構を備えた歯車式の駆動システムであるクリン=リントナー式〔Klien-Lindner-Hohlachse〕を採用しているほか、4軸のうち2軸ずつを前後にまとめて配置し、第2動輪と第3動輪間にスペースがあることと、水タンクを車体幅近くまで広げた大型のボトムタンクとして重心を低くしていることが特徴となっている。 1916年2月6日に開業したグレドナー線(ヴァル・ガルデーナ線)は南チロルが第一次世界大戦の1918年の休戦によってイタリア軍の駐留し、1919年にはサン=ジェルマン条約によってイタリア王国領への編入されたことに伴い、イタリア国鉄に編入されることとなり、イタリア国鉄ヴァル・ガルデーナ線としての営業は1919年2月5日に開始されている。本形式はこれに先立って1918年にイタリア国鉄に編入されてR410 001-007号機となって引続きヴァル・ガルデーナ線で同線が廃線となる1960年まで運行されたほか、一部の機体は他線区へ転出している。本形式それぞれのクラウスにおける製番、製造年、オーストリア=ハンガリー帝国軍用鉄道での形式機番、イタリア国鉄形式機番は下記のとおりである。 *7171 - 1916年 - IVc 4151 - R410 001 *7172 - 1916年 - IVc 4152 - R410 002 *7173 - 1916年 - IVc 4153 - R410 003 *7174 - 1916年 - IVc 4154 - R410 004 *7175 - 1916年 - IVc 4155 - R410 005 *7176 - 1916年 - IVc 4156 - R410 006 *7177 - 1916年 - IVc 4157 - R410 007 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イタリア国鉄R410蒸気機関車」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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