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イボニシ : ウィキペディア日本語版
イボニシ

イボニシ(疣辛螺・疣螺)'' Thais clavigera '' は、腹足綱 アッキガイ科 に分類される肉食性の巻貝の一種。極東アジアから東南アジアの一部まで分布し、潮間帯の岩礁に最も普通に見られる貝の一つ。しかし分類学的には未解明の部分もあるとされる。他の貝類を食べるため養殖業にとっては害貝であるが、磯で大量に採取し易いために食用にされたり、鰓下腺(パープル腺)からの分泌液が貝紫染めに利用されたりする。
==形態==

成貝は殻高2-4cmの紡錘形で、名前の通り殻表には多数の低い結節がある。殻色は灰白色~淡褐色の部分に、結節を中心にした黒色~黒褐色の斑紋が拡がって全体的に黒っぽく見えるものが多い。内唇・軸唇はクリーム色。内唇、外唇ともに余り肥厚しないが、殻質は堅固である。蓋は角が丸い歪んだ台形で、核は外端にあり、中央部に幅広い赤褐色の色帯がある。殻の形態には様々なものが見られるが、紀伊半島の田辺湾に生息するC型・P型と呼ばれる二型は、殻のみならず生態的にも遺伝的にも異なることが明らかとなっており、複数の種に分割される可能性も示唆されている(→C型とP型の項参照)。
歯舌は新腹足類に共通の狭舌型(きょうぜつがた)あるいは尖舌型(せんぜつがた)と呼ばれる形式で、1個の中歯とその左右にある1対の側歯からなり、この計3個を横一列として前後に多数並んでいる。足の裏の前端近くに穿孔腺(または副口腺)と呼ばれるを分泌する器官を持ち、獲物の貝殻などに穴を開ける場合に、この酸と歯舌の運動が利用される。
他のアッキガイ科と同様、外套腔内部の鰓のすぐ横には鰓下腺(さいかせん:別名パープル腺)がある。この腺の分泌液には6,6’-ジブロモインディゴ(C16H8O2N2Br2)と呼ばれる物質が含まれており、神経を麻痺させる作用があるため、捕食者に対する防御や餌の貝類を攻撃するのに利用されるほか、卵嚢にも注入することで卵が他の生物に食われないようにしていると言われる。この液は紫外線の下で酸化すると紫色に変化することから、古代から他のアッキガイ科貝類とともに貝紫として染色に利用されてきた。また、乾燥などで内部の卵や胚が死滅した卵嚢では色素の発色が起こり、紫色を呈する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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