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イリジウムとはモトローラ社のCEOであったロバート・ガルビンが計画した高度780kmに66個の衛星を投入する衛星電話、衛星インターネット接続サービスの名称である。当初は77個のコンステレーションで計画されたため、原子番号77のイリジウムにちなんで名づけられた。モトローラが約18%、日本イリジウムが約11%間接出資する「IRIDIUM LLC」社が事業を担い、1997年12月からイリジウム通信衛星が長征2C(太原衛星発射センター)とデルタ II(ヴァンデンバーグ空軍基地)により順次打ち上げられ、1998年(平成10年)11月にサービスを開始した。 しかしながら当初から懸念されていた通信衛星のインフラ投資負担の重荷と、大型で高額のハンドセット(日本では40万円前後で販売)によりアメリカで5万台程度の契約数に留まったことで、開始後1年弱の1999年(平成11年)8月に連邦倒産法第11章を申請し倒産。2000年(平成12年)3月サービス停止した。一時は全数運用に入っている66個と予備の衛星すべてを大気圏へ突入させて焼却処分することも検討されたが、2000年(平成12年)11月にイリジウム・サテライト社(現:イリジウムコミュニケーションズ)が全ての資産を買い取ることで合意した。2004年(平成16年)4月に、ボーイング社への衛星維持費の支払いの軽減、世界10数カ所に存在した関門局(アースターミナル)を廃止しアリゾナ州の地球局へ一本化、全社員を700人から100人へ人員削減を行い、主に米国政府・国防総省などを相手先とした通信サービスを行う事業モデルに変更して再出発した。 日本でも第二電電(DDI,現:KDDI)と京セラらが出資して1993年に設立した「日本イリジウム」によって1998年11月からアメリカと同時にサービスが開始された〔関東・東海地域ではIDO(日本移動通信)が、IDOショップに端末の模型やカタログを置くなどの販売協力を行っていた。〕。DDIとしてはDDIセルラーグループ、ツーカー、DDIポケットに次ぐ移動体通信事業への参入であった。これに伴い日本で発着信するイリジウムの衛星電話網とイリジウム以外の電話回線(国際電話含む)を中継するアースターミナルと称する関門局が長野県内の山間部に3カ所設置され、DDIが同時期に参入した国際電話(0078)網も大いに活用されることになった。2000年3月末日を以て、米国イリジウム社のサービス停止により日本でも端末の使用ができなくなり、アースターミナルも運用停止状態を経て2005年前後に解体された。 2001年にはイリジウム・サテライト社によりサービスが再開されるも、日本イリジウムは前年に郵政省へ無線局の免許を返納し法人清算処理に入ったため〔2005年に東京地裁へ破産申請し法人解散。〕、海外免許で取得したイリジウム端末の不正使用(電波法により無線局免許を持たない端末は違法無線局となる)が問題になった〔初代イリジウムでは電波法103条5の規定により、海外端末も日本イリジウムの免許とみなすため違法ではなかった。〕。その状況を打開し要望に応えるべく、2005年(平成17年)6月にインマルサット(旧KDDの事業領域)を扱うKDDIの法人事業子会社「KDDIネットワーク&ソリューションズ」によってサービスを再開し、日本国内および公海上の日本船籍船舶内で再び使用できるようになった。日本国内で合法に利用するには同社経由で販売・貸与されるものに限られる。同社は2008年(平成20年)7月1日にKDDI本体に吸収されたため、現在はKDDIが日本唯一の事業者となっている(加入申し込み受付担当はKDDI ソリューション営業本部MSAT営業グループ)。個人の契約にはクレジットカードが必要になる。初代イリジウムとは異なり、イリジウム端末間以外の通信は全てアリゾナ州の地球局で中継し国際電話網を経由する流れとなっているため、イリジウム以外の電話回線で発信する場合は国際電話料金が適用される。 ==== 主な端末 ==== * 音声通信とともに2400bpsのデータ通信・ショートメッセージングサービスの可能な携帯端末。 * IMO条約の船舶保安警報装置 (SSAS : Ship Security Alert Sysytem) 対応端末 * 船舶用イリジウム衛星電話「OpenPort」 - 発売日:2008年(平成20年)11月1日。現行機種の約53倍の高速パケット通信を実現。イリジウム衛星電話の通信速度は2.4kbps、本機はその約53倍となる最大128kbpsの高速データ通信を実現。また、従来の接続時間に応じた課金ではなく、データ量に応じたパケット制。これまで、接続時間を気にして通信をしていた問題を解決し、ストレスのない通信環境を提供。電話回線3回線の同時収容を実現。イリジウム衛星電話としては初となる複数電話回線の同時収容を実現。最大3回線の音声通信とデータ通信を同時利用が可能。これまで1番号毎に1台の端末を購入していた手間と船内のスペース軽減に役立つ。日本デジコムによる報道発表 初代イリジウムでは携帯電話(セルラー)網とのデュアルネットワークに対応する機種が主力であり、大株主のモトローラと京セラがベンダーとして端末を発売していた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イリジウムコミュニケーションズ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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