|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。
インパクトレンチ()は、工具の一種。ボルトやナットを回す際、手で回すよりも簡単に大きなトルクをかけることができる。インパクトドライバーも動作原理は同じであるため、本項で詳述する。 電気や圧縮空気を動力源として内蔵されたモーターを回転させ、同じく内蔵されたハンマーを回転させる。ハンマーはソケットが接続された軸に、回転方向に打撃(インパクト)を与える。この打撃により先端に取り付けられたソケットなどが回転し、ボルトやナットを回すことができる。ソケットが接続された軸は常にインパクトを受けながら回転しているため、大きなトルクをかけることができる。 ハンマー式では、ドライバーが回転するとハンマー(名称は外部リンク〔ピンクラッチ機構' ベッセル・エアーインパクトレンチマニアル 〕参照の事)とフレームも同時に回転する。この時アンビルの先端に付いているボックスレンチはボルト・ナットにはまっていてアンビルの回転に抵抗する。そのためハンマーは、アンビルのつばに沿って回転しながらハンマーはピンを中心に傾き、アンビルのつば元に衝突してハンマーがアンビルに衝撃(インパクト)を与え、その先のボックスレンチを回す。そして衝突直後には、ハンマーは元の状態に戻って、次の衝撃の準備にはいる。この動作を繰り返してボルト・ナットをすこしずつ衝撃を与えながら絞めつけたり緩めたりする。 == インパクトレンチ == 一般に軸先端にはソケットなどを接続する差込角が設けられており、通常のソケットレンチと同様に、ソケットやアクセサリーを接続して使用する。 動力源は一般的には必要最低限の構造にでき、パワーウェイトレシオに優れた圧縮空気が用いられる事が多いが、エアコンプレッサーが必須で、エアホースがかさばる事から、近年では比較的低トルクの用途向けに商用電源やバッテリー電源を動力源とする電動式も普及している。極めて高速度・高トルクを要求する産業用インパクトレンチでは油圧モーターも用いられる。 形状は一般的にはピストルグリップ型のものが多いが、より小型の差込角ではインライン型と呼ばれる直線形状のものや、リューターに類似したバタフライグリップを持つ物もあり、大型の差込角ではに類似したT字ハンドルを持つ物も存在する。近年ではリダクションレス・ラチェットと呼ばれる、インパクトレンチに減速ギアを組み込んでラチェット機構を備えたものもあり、締め付けの際のバックトルクをラチェット機構で吸収する事で、作業中にねじが締まりきった際などにインパクトレンチが反動ではじき飛ばされて作業者が負傷する事態を予防できるようになっているものも存在する。非常に狭い場所、例えば自動車のエンジンのクランクシャフトプーリーを、ラジエーターを外さずに脱着するような用途で利用されるようなものは、かさ歯車などを用いて出力軸を曲げた特殊な形状のものが用いられる。 インパクトレンチ用のソケットには専用のものを使用しなければならない。その理由は、通常のソケットやアクセサリーはバナジウム鋼などの硬度の高い鋼(同時に靱性が低く、脆いという事も意味している)にクロームメッキを施しているため、インパクトレンチの瞬間的な大トルク(回転力)に耐えられず、破断やめっき剥がれなどの不具合が生じる恐れがあるためである。インパクト専用のソケットやアクセサリーにはめっき処理が施されず、外形も通常のものより厚く、また、高張力鋼などの硬度は低いが靱性の高い材質で作られており、大トルクに耐えられるよう設計されている。 また、高速回転するインパクトレンチからソケットが外れて飛散することを防止するため、ピンとリングで差込角とソケットを串刺し状に抜け止めするようになっている〔『正しい作業工具の使い方』1.インパクト用ソケットとアタッチメント、全国作業工具工業組合発行 〕。 インパクトレンチの性能は「最大トルク」と「作業トルク」に区分され、前者はアンビルが完全に固定された状況かつ完全に固定されたねじに対して発生する事ができる最大の性能で、後者はねじの取り付け対象が確実に固定されておらず、なおかつ継続してトルクを掛けた場合のより現実の利用状況に即した性能値となっている。 インパクトレンチは瞬間的に極めて高いトルクを与えてねじを動かせるので、回転軸の先端にプーリーを取り付ける場合など、人力で回すと軸側が供回りしてしまうような状況でも、締め付けや緩めが行える利点がある一方で、一部を除いてきめ細かなトルク管理が難しいためにトルクレンチによるトルク管理を要求される箇所の締め付けには利用できない欠点がある。また、前述の回転軸の先端で作業を行うような状況でも、ねじ側の締め付けトルクがインパクトレンチの作業トルクを上回っているような場合には、回転軸に対して完全な回り止めを施した上で作業をする必要があり、ねじ側の締め付けトルクがインパクトレンチの最大トルクすらも上回っているような場合にはインパクトレンチによる脱着は諦め、ボックスレンチに長い延長パイプを取り付けて回すなどのよりプリミティブな方法を用いなければならない。 Image:Impact wrenches 02.jpg|1/4"から1"までの差込角の様々なインパクトレンチ。左からバタフライ型、インライン型、ピストルグリップ型の順に並んでいる File:Pinclutch1-04s.gif|ピンクラッチインパクト機構のアニメーション Image:Large-vs-Small-Ingersoll-Rand-Impacts.jpg|大型の2½"差込角と、一般的な½"差込角のインパクトレンチ Image:Reactionless Ratchet.jpg|リダクションレス・ラチェット一例。ピンクラッチインパクト機構の代わりに減速ギアを組み込んでおり、先端はかさ歯車で90度の角度で動力を取り出せるようになっており、非常に狭い場所で大トルクを掛ける用途に使われる 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「インパクトレンチ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|