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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
インフレターゲット(inflation targeting)とは、物価上昇率(インフレ率)に対して政府・中央銀行が一定の範囲の目標を定め、それに収まるように金融政策を行うこと〔インタゲと略称されることもある。〕。ほとんどの場合は、インフレ率が高くなりすぎることを防止し、目標値まで下げるよう誘導するが、その逆の場合もある。 類似政策として「物価水準目標」というのもある〔きょうのキーワード 物価水準目標 日本経済新聞 2010年10月31日〕。こちらはある年の一般物価水準を基準として、それに決められた上昇率分を加えたものをターゲットにするもので、物価水準が目標未達成の場合は未達成率+決められた上昇率をあわせて、あくまで決められた物価指数まで上げることである。違いは、過去の誤りを相殺するかしないかの違いとなる。 == 経緯 == インフレターゲットは元々、高いインフレ率に苦しむ国で採用された〔岩田規久男教授:日銀の国債購入不可欠 物価目標達成で 毎日jp(毎日新聞) 2013年2月15日(2013年5月1日時点のインターネット・アーカイブ)〕。インフレ率が低い時は、通貨量を意図的に増加させて(公開市場操作)緩やかなインフレーションを起こして、経済の安定的成長を図る政策(リフレーション、通貨再膨脹)となる。マネーサプライと物価との関係が不安定となったことが導入の背景にある。 経済学者のアーヴィング・フィッシャーは、世界恐慌時に貨幣供給を増やし物価水準を負債契約が結ばれた時点の水準にまで引き上げ、その水準を維持する必要があると主張した(物価水準目標)〔日本経済新聞社編 『マネーの経済学』 日本経済新聞社〈日経文庫〉、2004年、99頁。〕。 歴史上、最初のインフレ目標採用国はスウェーデンであり、中央銀行リクスバンクが1931年に「通貨プログラム」という名で物価水準目標を設定している(1937年まで)〔田中秀臣 『デフレ不況 日本銀行の大罪』 朝日新聞出版、2010年、249頁。〕。 1930年代に物価水準目標(英語ではprice-level target)を実施したスウェーデンを除くと、世界で最初にインフレ目標政策を採用したのはニュージーランドである(1990年)〔田中秀臣・野口旭・若田部昌澄編 『エコノミスト・ミシュラン』 太田出版、2003年、51頁。〕〔一部の論者は「国際的にはインフレターゲット(物価上昇率目標)政策が、中央銀行の金融政策を律する規律としては一般的である」と主張している。〕。 1990年のニュージーランドで導入されたのを皮切りに、1990年代イギリス・スウェーデン・カナダ・オーストラリア等でも実施され、つづいてブラジル・チリ・イスラエル・韓国・メキシコ・南アフリカ・フィリピン・タイ・チェコ・ハンガリー・ポーランドなど、2012年現在は20カ国以上で導入されている。 IMFの監視下に置かれた韓国、タイ、インドネシアは、1998年から2000年にかけてインフレーション・ターゲティングを導入した〔アジアにおけるインフレーション・ターゲティングへの取り組み 日本総研 2003年1月1日〕。韓国は、1998年にアジアで最初のインフレーション・ターゲティング採用国となった〔。中央銀行は金融調節を、マネーサプライを中間目標として用いる方式から金利操作によりインフレ目標を達成する方式へと転換した〔。 米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)は他の中央銀行とはことなりインフレ率以外にも雇用(Employment Act of 1946)に責任を負っており、いわゆるインフレターゲットは採用していなかったが〔高橋洋一「ポリシーディスカッション 第7回:インフレ目標政策への批判に答える 」RIETI 2003年7月7日〕、2006年にインフレターゲットの主唱者であるベン・バーナンキがFRB議長に就任。近い将来導入されるのではないかと見られていたが、2012年1月25日に長期インフレ目標値を公表する方針を示し事実上の(FRBの自律的)インフレターゲット導入に転じた〔米FRBが2%のインフレ目標導入、毎年1月に見直し ロイター 2012年1月25日〕〔インフレ目標設定に関するFOMC声明全文 ロイター 2012年1月26日〕。 2012年時点で先進国においてインフレターゲットが採用されていないのは日本のみであったが〔デフレ論者たちのばかげた批判をすべて論破する!これまで20年間、完璧にはできなかったデフレ脱却を安倍政権が成し遂げたなら大成功だ 現代ビジネス 2012年12月24日〕、2013年1月22日に日本銀行は「中長期的な物価安定の目途」を「物価安定の目標(Price Stability Target)」に変更し、物価上昇率を1%から2%に引き上げた〔日銀が「2%物価目標」と「無期限緩和」導入、物価上昇見通しは改善小さく Reters 2013年1月22日〕〔日銀:物価目標2%、できるだけ早期に-期限定めず資産買い入れ (3) Bloomberg 2013年1月22日〕〔日銀、2%物価目標導入へ 9年半ぶり連続緩和も 日本経済新聞 2013年1月22日〕〔日銀、物価安定の目標を採用 資産買い入れは14年初から無期限に 日本経済新聞 2013年1月22日〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「インフレターゲット」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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