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霧箱(きりばこ、英語:cloud chamber)は、蒸気の凝結作用を用いて荷電粒子の飛跡を検出するための装置。1897年にチャールズ・ウィルソンが発明した。 過冷却などを用いて霧を発生させた気体の中に荷電粒子や放射線を入射させると気体分子のイオン化が起こり、そのイオンを凝結核として飛跡が観測される。霧箱はウィルソンによって実用化の研究が行われたことから、ウィルソン霧箱とも呼ばれる。霧箱の原理はこれまでに、ジョゼフ・ジョン・トムソンの電子や放射線の研究やカール・デイヴィッド・アンダーソンの陽電子の検出など様々な粒子や放射線の観測や、コンプトン散乱、原子核衝突、宇宙線の研究など多岐にわたる用途で用いられてきた。ニュートリノの観測は霧箱では検出できず、泡箱を用いることにより初めて検出された。 == 原理 == 気体が含むことのできる最大の蒸気の量を飽和蒸気量と呼ぶ。飽和蒸気量は温度によって異なり、温度が高いほど気体が含むことのできる蒸気量は増す。逆に気体の温度が下がると飽和蒸気量は減少し、気体中に留まれなくなった蒸気は液滴となる。 ただし、液滴となるためには、中心に核が必要となる。通常は大気中の細かいちりやほこりが核の役割を果たす。しかし、ちりやほこりのない純粋な気体中では、核となるものが存在しないため、気体は飽和蒸気量より多くの蒸気を含むことができる。この状態を過飽和という。 霧箱は人工的に過飽和の状態を作り出すことができる。こうして作られた過飽和状態の気体中に、外部から荷電粒子や放射線が入り込むと、その放射線などが核のような役割を果たす。というのも、放射線は周りの空気をイオン化するからである。水は極性分子であるので、このイオン化された空気に引きつけられるのである。そのため、放射線の動きに沿って液滴が生成される。この様子を光を当てて撮影することで、放射線の動きが線となって見える。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「霧箱」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Cloud chamber 」があります。 スポンサード リンク
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