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ウィング・イン・グラウンド : ミニ英和和英辞書
ウィング・イン・グラウンド
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。


ウィング・イン・グラウンド ( リダイレクト:地面効果翼機 ) : ウィキペディア日本語版
地面効果翼機[じめんこうかつばさき]


地面効果翼機(じめんこうかよくき)(Wing In Ground-effect vehicle,WIG)とは、地面効果を利用して地表ないし水面から数十センチ~数メートルほどの高度で航行する航空機もしくは船舶の一種である。水面効果翼船や表面効果翼船(wing-in-Surface-Effect-Ship, SES, Ground Effect Machine, GEM) と幾つか異なる名称があるが、いずれも基本原理は同一である。
外見は主翼の短い航空機に近く、その翼によって揚力を得て浮上する。ゆえに航空機に準じる速度で航行することができ、一方で地面効果によって大きな揚力を発揮し、通常の航空機では不可能なほどの大重量を搭載できる。それほど普及してはいないものの第二次世界大戦頃から現在まで研究・開発が行われており、民間用・軍用として少なくない数の機体が製造されている。実用例として有名なものにロシアで開発されたエクラノプランがある。
==歴史==


航空機において高度が主翼幅の半分程度になると翼端渦の発生が抑えられて誘導抗力が小さくなり、結果的に有効迎え角が大きくなることで揚力が増す。これを地面効果と言うが、この効果を積極的に利用したのが地面効果翼機である。基本的な飛行原理は通常の航空機と大差ないものの、地面から離れるほど同効果による揚力の利得は少なくなるため、地面効果翼機の飛行高度はその主翼幅によって制限されている。

ドルニエ Do X飛行艇は、地面効果翼機の嚆矢と言える機体である。当時はまだ地面効果の原理そのものが発見されておらず、あくまで飛行艇として設計されているものの、実際の飛行高度は極めて低くかったため、実質的には地面効果翼機として機能した。ただしこれは12機あるエンジンの調整が困難で、高度を上げるのに充分な出力を得る事ができず、やむなく水面すれすれを飛行せざるを得なかったというのが真相である。
地面効果翼機は第二次世界大戦直前のスカンディナヴィアで初めて開発され、少数の実験機が製造された。その後1960年代になると旧ソ連ロスチスラフ・アレクセーエフ (:en:Rostislav Alexeyev) とドイツアレクサンダー・リピッシュ (:en:Alexander Martin Lippisch) が独立して異なるタイプの地面効果翼機を開発した。アレクセーエフはもともと水中翼船の設計に携わる技術者であったのに対し、リピッシュは航空技術の専門家で、それぞれの知識と経験の違いが別のタイプの機体を生み出したのである。この二人の設計は地面効果翼機のパイオニアとなり、現在の設計にも強い影響を与えている。

アレクセーエフは水中翼船の研究所 (The Central Hydrofoil Design Bureau (CHDB)) を主導し、同研究所はロシアにおける地面効果翼機開発の中核を担った。地面効果翼機の軍事的有用性が認められると、アレクセーエフの研究所は当時のフルシチョフ政権から財政支援を受け、そのプロジェクトは最終的に「カスピ海の怪物」と呼ばれたエクラノプランとして結実することになる。まず有人および無人の試験機による実験を経て8トン級のエクラノプランが製造され、1966年には550トン級の大型のエクラノプランが建造された。

開発はその後も進められ、量産型の実用機として125トン級のA-90 オルリョーノクが生まれた。これは大量配備計画が立てられたものの諸々の都合によりごく少数の生産に留まり、1979年から1992年までカスピースクの海軍基地に配備されていた。また、1987年にはミサイル発射能力を備える400トン級のルーニ型のエクラノプランが完成している。

ソ連崩壊に前後して軍用での需要がほぼなくなったことにより、近年では民間向けに小型のエクラノプランの開発が進められている。例えばCHDBは1985年に8席を備える旅客用エクラノプラン・ヴォルガ-2 (Volga-2) を開発し、またいくつかの企業と旅客会社が中心となってアンフィスター (Amphistar) と名付けられた小型の機体も開発された。

一方、ドイツのリピッシュはアメリカのコリンズ・ラジオ社 (Collins Radio Company) のコリンズから高速艇製造の依頼を受け、地面効果翼機としてX-112を開発した。X-112は反転したデルタ翼(つまり前進翼に近い)とT型の尾翼を持つ革新的な翼配置の機体であった。この設計は飛行時の安定性が良く、地面効果を効率的に利用できるということが確かめられたが、コリンズは開発計画を中断してその特許をドイツのライン航空工廠 (Rein Flugzeugbau (RFB)) へと売却してしまい、その後はRFBがリピッシュの設計を発展させていった。

さらにその後、ハンノ・フィッシャー (Hanno Fischer) がフィッシャー航空機 (Fisher Flugmechanik) を起業してRFBの計画を引継いだ。同社では2席を備えたエアフィッシュ3(Airfisch 3)を売り出して成功し、後に乗客席6席を加えたFS-8も作られた〔 - エアフィッシュを生産しているWigetworksのサイト。〕。FS-8は近い将来シンガポールオーストラリアを結ぶ"フライトシップ"として就航する予定である。
また、アレクセーエフの元で仕事をしていた技術者であるギュンター・イェーグ(Günter Jörg)はドイツでイェーグ(Jörg)と名付けた地面効果翼機のシリーズを開発した〔 - 南アフリカポート・エリザベスにある南アフリカ軍博物館で屋外展示されているイェーグIVの写真がある。〕。この機体はタンデム翼配置の機体で、構造が簡単でコストが安いというメリットがあったものの、販売面で諸々の問題を抱えて結局量産はされなかった。
日本においては船舶技術研究所(現海上技術安全研究所)が1990年代に研究を行っている〔http://www.nmri.go.jp/spd/hss/wises.htm〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「地面効果翼機」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Surface effect ship 」があります。




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