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ウキゴリ : ウィキペディア日本語版
ウキゴリ

ウキゴリ(浮鮴、浮吾里、学名 ''Gymnogobius urotaenia'' )は、スズキ目ハゼ科に分類される魚の一種である。但しスミウキゴリ ''G. petschiliensis''、シマウキゴリ ''G. opperiens''、および琵琶湖固有種イサザ ''G. isaza'' という3種の類似種が存在し、これらの総称として使われることもある(後述)。
日本とその周辺地域に分布する比較的大型のハゼで、川の中流・下流域で見られる。日本での地方名としてはゴリ(各地でのハゼ類の混称)ゴタッペ(北海道)エビグズ(山陰)などがある。

==特徴==
成魚は全長13cmに達し、日本産のハゼとしてはかなり大型の部類である。体は円筒形だが頭部は上から押しつぶされたように縦扁し、逆に尾部は側扁する。体色は半透明の黄褐色で、全身に黒褐色の斑点がある。背中に5-6個の鞍状斑が並ぶが、第一背鰭の部分には斑点がない。脇腹から尾にかけて6-7個の大きな黒褐色斑と側線に沿って小さな黒点が並ぶ。第一背鰭の後半部と尾鰭の付け根に明瞭な黒斑点が一つずつある。第二背鰭と尾鰭は白黒の縞模様となる。鱗は細かく、手で触れるとぬめりがある。
樺太北海道から九州朝鮮半島まで分布する。択捉島国後島隠岐諸島屋久島といった周辺島嶼からも記録されている。幼魚期を海で過ごす通し回遊を行うため、離島の川にも分布する。その一方で海の代わりに湖沼などで成長する陸封型も存在する。
成魚は川の中流域から汽水域にかけて生息し、流れが緩やかで水草が生えている区域に多い。成魚は一般的なハゼ類と同様に水底に腹をつけて生活するが、全長数cm程度の若魚は水底から離れて中層をフワフワと泳ぐ習性がある。標準和名「ウキゴリ」もこの習性に因んだものである。食性は肉食性で、昆虫・甲殻類・小魚などの小動物を捕食する。
春の産卵期には成魚の体色が黒っぽくなり、さらにメスは腹部が黄色になる。オスは川底の石の下に産卵室を作り、メスを呼び込んで産卵させる。メスは産卵室の天井に産卵し、卵はブドウのような房状で天井から多数ぶら下がる。産卵・受精後はオスが巣に残り、孵化までの10日間ほど卵を保護する。仔魚は全長5-6mmほどで、川の流れに乗って湖沼や海に下り、全長3cmほどになるまで成長する。成長した若魚は春から夏にかけて群れを成して川を遡上する。
通常は漁業対象にならないが、他の小魚と混獲されて佃煮卵とじなどに利用されることがある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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