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ウミクワガタは、等脚目ウミクワガタ科(Gnathiidae)に属する海産甲殻類の総称である。タイプ属の属名からグナチアとも呼ばれる。クワガタという名がついているが昆虫ではなく、ダンゴムシやワラジムシ・ダイオウグソクムシなどに近縁である。 ==形態== 雄成体はクワガタムシのように大顎が発達する。雌成体では大顎は完全に欠き、胸部が大きく膨み、卵を抱える育房となっている。一方、幼生はプラニザ幼生(Praniza larvae)と呼ばれ、雌雄の区別がつかない。 プラニザ幼生は魚類の体液を吸うが、成体は何も食べず繁殖のみを行う(詳しくは#生態の項参照)。そのため、多くのプラニザ幼生では口器が吸血のために針状になっている。また、胸部は多くの体液を溜め込むことができ、吸血前は胸部の節目が明瞭だが、吸血後は節目が不明瞭になるほど膨張する。一般的にワラジムシ目の幼生はマンカ幼生(Manca larvae)と呼ばれ、第7歩脚を欠く以外、成体とほとんど変わらない形態をしている。 ウミクワガタ類の形態の特徴は、雄成体の大顎だけではない。第1胸節が頭部と癒合し、その付属肢が口器(成体は団扇状の口器、幼生は歩脚状の口器)になる。また、第7胸節が退化して小さくなり、第1腹節の上に重なっている。そのため、歩脚が5対となっている。他のワラジムシ目では、普通、胸節は7節で、その付属肢である歩脚は7対である。 このように、ウミクワガタ科では幼生・雌成体・雄成体の形態がそれぞれ大きく異なり、基本的な本科の体制も、ワラジムシ目の中でも特異な形態を呈している。 図が示す通り、ウミクワガタ科では、5節からなる腹節は胸節よりも狭い。各腹節には、先端に羽毛状の剛毛を備えた葉状の腹肢があり、遊泳に用いられる。しかし、成体になって腹肢の先端にある剛毛が小さく退化し、遊泳できなくなる種類もいる(例;ドロホリウミクワガタ)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ウミクワガタ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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