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エアバスA330-300 : ミニ英和和英辞書
エアバスA330-300
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。


エアバスA330-300 ( リダイレクト:エアバスA330#A330-300 ) : ウィキペディア日本語版
エアバスA330[えあばすえい330]

エアバスA330 () は、ヨーロッパの企業連合であるエアバス・インダストリー(後にエアバス)が開発・製造している双発ジェット機である。
A330は中短距離路線向けの大型旅客機として開発された。エアバスA300の胴体を延長したワイドボディ機で、低翼配置の主翼下に2発のターボファンエンジンを装備する。尾翼は低翼配置、降着装置は前輪配置である。A330シリーズには旅客型のA330-200とA330-300、貨物型のA330-200Fに加えて、軍用の多目的空中給油輸送機であるA330 MRTTがあるほか、エンジンを新型に置き換えたA330neoの開発も進められている。機体寸法や性能は各形式によるが、就航中のA330-200/-300/-200Fでは、巡航速度はマッハ0.82、全長は58.82から63.69メートル、全幅は60.30メートル、最大離陸重量は184トンから238トン、座席数は253席から440席程度である。A330ではフライ・バイ・ワイヤシステムやグラスコックピットが導入され、操縦系統が共通化されたエアバス機との間で相互乗員資格が認められている。
A330シリーズで最初に開発されたのはA330-300で、1987年に長距離4発機のエアバスA340と同時に正式開発が決定された。双発機のA330と4発機のA340の同時並行的な開発は航空技術史上において希少な取り組みとなり、両機はエンジン関係を除いて最大限共通化された。A330-300は1994年エールアンテールによって初就航した。次に開発されたA330-200はA330の短胴・長距離型で、1995年に正式開発が決定され、1997年にによって初就航した。A330-200FはA330-200をベースとした貨物専用型で、2007年に正式開発が決定され、2010年エティハド航空の貨物部門に初引き渡しが行われた。エンジンを新型に置き換えるA330neoシリーズは、2014年に正式に開発計画が発表され、2017年後半の引き渡し開始を予定している。
2015年7月現在、1,095機のA330が民間航空路線に就航している。運用者を地域別にみると、全体の約6割がアジア中東オセアニア地域の航空会社によって運用されており、中でも中国の航空会社による運用機数は約1割を占める。その次に欧州ロシア地域の航空会社による運用機数が多く、続いて北米南米地域、アフリカ地域の順となっている。2016年2月現在、A330が関係した主な航空事故・事件は23件報告されており〔、その中には8件の機体損失事故と2件のハイジャックが含まれ、合計で339人の乗員・乗客が死亡している〔。
本項では以下、エアバス製旅客機およびボーイング製旅客機については社名を省略して英数字のみで表記する。例えば、「エアバスA300」であれば「A300」、「ボーイング747」であれば「747」とする。
== 沿革 ==

=== 開発の背景 ===

米国の航空機メーカーに対抗するため、欧州の航空機メーカーは1970年12月に企業連合「エアバス・インダストリー」を設立した。エアバスは最初の製品である双発ワイドボディ機、A300の販売を軌道に乗せ、次期製品の検討を行った。この時の製品候補の中に、A330の源流となる「A300B9」(以下、B9)と呼ばれた機体案があった。B9案はA300の胴体を延長し、ダグラスDC-10ロッキードL-1011の市場に食い込むことを狙った双発の中距離機であった。B9案の他には、A300の胴体短縮型となるA300B10(以下、B10)案、そしてエンジンを4発とした長距離型のA300B11(以下、B11)案などの複数の機体案が検討されていた。しかし、当時のエアバスには同時に複数の機種を開発できるだけの資金や人員がなく、市場調査の結果をふまえて次期製品はB10案に絞られた。1978年にエアバスはB10案をA310と命名して正式に開発を開始し、B9やB11案は無期限に延期した。
1980年になると、エアバスは「SA」 (Single Aisle) と名付けられた単通路機(ナローボディ機)の研究を行っていることを明らかにした。同時に、ワイドボディ機の計画名には2通路を意味する「TA」(Twin Aisle) が付けられ、B9案はTA9、B11案はTA11と名前を変えた。1982年ファーンボロー国際航空ショーの場で、TA9、TA11、そして新たに追加されたTA12の開発構想が発表された。TA9、TA11、TA12案は何度か変更が加えられたが、おおむね以下のようなものであった。
* TA9 - A300の胴体を延長して320席を超える座席数を持つ中距離双発機。
* TA11 - TA9より短い胴体で座席数は230席程度、10,000キロメートル以上の航続力を持つ長距離4発機。
* TA12 - TA11と同じ胴体長・座席数で、TA11より航続距離が短いが、エンジンを双発とした長距離機。
しかし、この頃、第2次石油危機と景気後退により民間航空機市場は縮小していた。エアバスは、1984年3月にSA計画をA320と名付けて正式開発を開始した一方で、TA計画の開発決定を先送りした。双発機の開発案はTA9とTA12の2種類になっていたが、1980年代の中頃にはTA12案が取り下げられた。TA9案はTA11案とともに改良が加えられ、A320と共通のフライ・バイ・ワイヤシステムを導入し、A320同様にサイドスティック方式の操縦席を搭載する計画となった。
エアバス内部では、双発機のTA9と4発機のTA11のどちらを先に開発するか議論が重ねられた。離陸重量などの条件が同等だと仮定した場合、双発機には4発機よりも強力なエンジンを装備する必要がある。また、エンジンの信頼性が低かった時代に作られた規制により、双発機はエンジン1基が停止した場合に60分以内に着陸可能な飛行場があるルートしか飛行できず〔、代替飛行場の少ない中長距離の洋上路線では3発機や4発機が用いられていた。しかし、双発機には、4発機より機体のシステムが簡素で整備の手間が少なく、運用コストが低く済むというメリットがある。エンジンの信頼性や性能が向上が進んだことで、低コストの双発機を洋上路線で運航したいというニーズが高まっており、1985年には、ETOPSと呼ばれる双発機の長距離運航を認める要件が策定されていた〔。ただし、当時のETOPSでは航路設定や運航の自由度がまだ限られていたほか、認証を得るために時間も要した〔。北米の航空会社はコスト面で有利な双発機を好んだ一方、長距離洋上路線を抱えるアジアの航空会社は双発機のような制約の無い4発機を必要とし、欧州の航空会社の意見は両者に二分されていた。
航空業界の意見が双発機と4発機に分かれていたなかで、エアバスはTA9とTA11を同時開発する方向へ舵を切った。総開発費を抑制するため、両機の構成要素は最大限共通化するよう設計が行われた(設計過程の詳細は後述)。2機の同時開発の目処が立ち、1986年1月にエアバスはTA9とTA11をそれぞれA330、A340と命名した。A340は短胴型のA340-200と長胴型のA340-300の2モデル構成となった一方で、この時点ではA330は1モデルのみの開発とされた。なお、A330とA340の名称は元々は逆であった。エアバスはTA11を先に開発する予定であり、A320に続く新型機ということでTA11をA330、そしてTA9をA340としていた。しかし、4発機がA3"3"0で双発機がA3"4"0では、顧客が両機を取り違えるという問題が指摘され、4発機がA340に変更された。
A330の最初の発注があったのは1987年3月で、フランスエールアンテールからであった。その年の6月までに合計10社の航空会社からA330に41機、A340に89機の注文が集まっていた。開発を進めるのに十分な受注の見込みが立ったことで、エアバスはパリ航空ショーを控えた1987年6月5日、A330とA340の正式開発を決定した。両機は姉妹機として同時に開発が決定されたが、市場調査の結果を踏まえ、A340の開発作業が先行された。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「エアバスA330」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Airbus A330 」があります。




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