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エイベル・カタログ : ミニ英和和英辞書
エイベル・カタログ
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。


エイベル・カタログ : ウィキペディア日本語版
エイベル・カタログ
エイベルカタログ〔(〔)は、銀河団のカタログの一つであり、より正式な名称は()である。公称の赤方偏移が ''z'' = 0.2 までの全天のリッチな(空間密度が高い; 詳細な定義は後述)4073個の銀河団を含む。このカタログは、ジョージ・エイベル (George Ogden Abell、1927-83) による1958年のオリジナルの「北天サーベイ」による2712個の銀河団カタログに、初期のサーベイで実施されていなかった南天の部分についての、1989年の「南天サーベイ」 で新たに採集された1361個の銀河団を補足したものである。

== 北天サーベイ ==
2712個のリッチな銀河団についてのオリジナルのカタログは、当時カリフォルニア工科大学で学んでいたジョージ・エイベルにより1958年に出版された。このカタログはエイベルの博士論文の一部をなし、エイベルが主だった観測者の一人であったパロマー天文台スカイサーベイ (POSS)で得られたコダック103a-E 写真乾板上の像を肉眼で精査することによって作成されたものである。もう一人の主だった観測者であったアルバート・ジョージ・ウィルソン (Albert George Wilson) は、乾板が出来上がるたびにそれをルーチン的に精査することで、サーベイの初期の段階でエイベルをアシストしている。サーベイの完了後、エイベルは再度写真乾板のさらに精密な精査を実施している。どちらの場合も、精査は3.5倍の拡大レンズを用いて行なわれた。
カタログへの掲載基準として、各銀河団は次の基準を満たすこととした:
*リッチネス: 銀河団は、m3 から m3+2 等級の間にあるメンバー銀河を最低50個含む必要がある (ここで m3 はその銀河団で3番目に明るい銀河の等級を表す。従って m3+2 はそれより2等級暗い等級を表す)。適切なエラーマージンを確保するために、この基準は厳格には適用されない。このため、最終的なカタログではメンバー50個よりも少ない銀河団を多数含んでいる ( ただしこれらの銀河団は、エイベルが同時に行なった統計的研究では除外されている)。 エイベルは m3 から m3+2 等級の間にあるメンバー銀河の数に基づいて、銀河団を6つの「リッチネス・グループ」に分類した (カタログ全体では、1つの銀河団に属する銀河数の平均は64であった)。
 *Group 0: 30-49 個
 *Group 1: 50-79 個
 *Group 2: 80-129 個
 *Group 3: 130-199 個
 *Group 4: 200-299 個
 *Group 5: 299 個以上
*コンパクト性: 銀河団は、その銀河団の中心から、ある「計数半径」の範囲内に、50個以上のメンバーを含む程度にコンパクトでなければならない。この半径は「エイベル半径」として知られており、銀河団の赤方偏移を ''z'' として 1.72/''z'' 分角、または 1.5''h''-1 メガパーセクとして定義される。ここで、''h'' は無次元のスケール・パラメーターであり、通常は 0.5 から 1の間の値を取る。''H''0ハッブル定数 (単位は  s-1 Mpc-1 )として、''h'' = ''H''0/100 である。正確なエイベル半径は パラメーター ''h'' の取り方に依存する。''h'' = 0.75 と仮定すると (これは ''H''0 = 75 km s-1 Mpc-1 と仮定することに等しい)、エイベル半径は2メガパーセク (650万光年) となる。この値は、エイベルは1958年に見積もった値の2倍以上であるが、これは、当時 ''H''0 は 180 km s-1 Mpc-1 程度と考えられていたためである。.
*距離: 銀河団の公称の赤方偏移は0.02から0.2の間になければならない (これは後退速度が6,000から60,000 km/s の間にあることを意味する)。''H''0 = 180 km s-1 Mpc-1 と仮定した場合、これらの値はそれぞれ約33と330メガパーセク (約1億光年と10億光年) の距離に相当する。ただし、現在の H0 の推定値 (約71 km s-1 Mpc-1) を用いると、エイベルの上限と下限の値は約85と850メガパーセク (約2.7億光年と27億光年) の距離に相当することになる。ところで、現在までにカタログの銀河団の多数は、実際にはこの値よりもさらに遠くあることが示されており、中には ''z'' = 0.4 (約1700メガパーセク = 54億光年) に達するものもある。エイベルは銀河団中で10番目に明るいメンバー銀河の等級に従って、銀河団を7つの「距離グループ」に分類した。
 *Group 1: 13.3-14.0 等級
 *Group 2: 14.1-14.8 等級
 *Group 3: 14.9-15.6 等級
 *Group 4: 15.7-16.4 等級
 *Group 5: 16.5-17.2 等級
 *Group 6: 17.3-18.0 等級
 *Group 7: 18.0 等級以下
*銀河緯度: 天の川に近い星野は、その領域における星の密度が高すぎ (銀河面吸収帯による障害のことを言っているのではない)、銀河団を確実に同定することが困難なため、研究から除外された。リッチネスの基準と同様に、この基準は厳格には適用されず、銀河平面の中あるいは近くにあっても、他の基準に照らして真正な銀河団であるとエイベルが納得した、いくつかの銀河団がカタログに含まれている。
出版されたオリジナルのカタログでは、銀河団は赤経の昇順にリストされていた。赤道座標 (赤経と赤緯)は、1885年分点 (「ボン掃天星表」 (Bonner Durchmusterung)の元期) について、銀河座標は1900年版についての値が与えられている。
各銀河団については次の値も添えられている。
*地球の歳差による位置変動率
*10番目に明るいメンバー銀河の視等級
*距離グループ
*リッチネス

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「エイベル・カタログ」の詳細全文を読む




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