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エオサイト説(Eocyte hypothesis)とは、真核生物の起源に関する説の一つで、古細菌の1系統であるエオサイト(=クレン古細菌)が真核生物の祖先となったとする説のことである。1984年にレイクらが提唱した。現在ではクレン古細菌に近縁なタウム古細菌などもエオサイトに含むことがあり、「TACK説(TACK hypothesis)〔」もその変形である。また、「生命の輪(Ring of life)〔Rivera, M.C., Lake, J.A. (2004) "The ring of life provides evidence for a genome fusion origin of eukaryotes." Nature 431, 152–155.〕」も広い意味でエオサイト説の一種である。 == 概要 == 古細菌は大きくクレン古細菌 (Crenarchaeota) とユーリ古細菌 (Euryarchaeota) の2系統に大別される。このうちクレン古細菌は、60種に満たない小さな古細菌集団で、80から時には110を超える高温環境、あるいは強酸環境に適応したグループである〔エオサイト説が提唱された1980年代は、古細菌という分類すら移行期にあり、後のクレン古細菌は細菌界 (Kingdom Bacteria) の下に置かれた古細菌群 (Secton 25 Archaeabacteria) 、超好熱硫黄代謝グループ (Extremely Thermophilic SO-Metabolizers) に、''Thermococcus''(後にユーリ古細菌に分類された)などと共に置かれていた〕。ユーリ古細菌はメタン菌や高度好塩菌の他、超好熱性の''Thermococcus''、好熱好酸性の''Thermoplasma''、硫酸還元菌である''Archaeoglobus''などが所属している。記載種は300種余りとそれほど多くないが、原核生物最大の8綱を擁す大きな群である。 クレン古細菌とユーリ古細菌は、通常門または界の階級が与えられ、古細菌ドメインに所属している。一方で、この2系統と真核生物の関係はよくわかっておらず、論争が続いている。よく知られた説では、クレン古細菌とユーリ古細菌が近縁であるとする3ドメイン説がある。エオサイト説は3ドメイン説と異なり、クレン古細菌と真核生物がより近縁であるとするものである。この説ではクレン古細菌のことをエオサイト。さらにエオサイトと真核生物を合わせてカリオタと呼称する。 この説は分子生物学的知見に基づくもので、具体的な真核生物誕生についての説明は比較的乏しい。このため現在主流な説にまではなっていないが、いくつかの分子的証拠があり、3ドメイン説に次いで真核生物の起源を説明する有力な説となっている。 一方で、2013年現在、前述のクレン古細菌、ユーリ古細菌以外にも古細菌にはいくつかの未培養系統が見つかっており、エオサイト説も見直しを迫られている。これらはいずれもエオサイト説が提唱された1980年代には知られていなかった。この中で、クレン古細菌に近縁なタウム古細菌 (Thaumarchaeota) は特に注目される系統であり、真核生物と似た特徴をいくつか持っている。これらの系統を含めて、エオサイトを再定義する動きがある。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「エオサイト説」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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