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エクトプラズム(ectoplasm)とは、シャルル・ロベール・リシェ(1913年にノーベル生理学・医学賞を受賞する)が1893年にギリシア語のecto(外の)とplasm(物質)を組み合わせてつくりだした造語〔デボラ・ブラム、鈴木恵訳、『幽霊を捕まえようとした科学者たち』、文芸春秋社、2007、p262〕。この造語は心霊主義で用いられるようになり、霊能者などが「霊の姿を物質化、視覚化させたりする際に関与するとされる半物質、または、ある種のエネルギー状態のもの」を指して用いられる。第二次世界大戦以降、エクトプラズム現象の報告は減り続け、自然科学者は今日までに報告されている事例の中に本当のエクトプラズム現象が含まれるか疑問を呈しているとされる〔Jan Dirk Blom. (2009). ''A Dictionary of Hallucinations''. p. 168〕。 ここで使用されている「半物質」という言葉は、現実の物質と、霊的存在の構成要素の中間というニュアンスに近く、自然科学の用語とは関係ない。また、「エネルギー」も、科学的には解明されていない、未知のものとされている自然科学におけるエネルギーは、ジュールやカロリーなどの単位を持ち、明確に測定可能であるのと対照的に、スピリチュアリティで頻繁に語られる「エネルギー」は、「活力」に近く、自然科学の単位で定量出来ない場合が多い。これらを混同しないように注意が必要である。 エクトプラズムが体外に出る場合、通常は煙のように希薄で、霊能力がないと見えない場合が多いとされている。逆に高密度で視覚化する際には、白い、または半透明のスライム状の半物質で、「霊能者の身体、特に口や鼻から出て、それをそこにいる霊が利用し物質化したり、様々な現象を起こす」と説明されている。 つまり、死を迎えた者の肉体から、霊体、あるいは、霊魂が抜けた以降には、その死者はこの世に干渉したり、物質に作用を及ぼしたりすることが不可能となる。そのため、そこに居合わせた霊媒体質の生者のエクトプラズムを利用し、時には、ポルターガイスト現象(騒霊現象)の様に、物体を手を触れずに動かしたり、ラップ現象として、誰もいない所から音を鳴らしたりするとされる。また、時にはそれを変化させることによって、視覚化したり、物質化したりするといわれている。 また、こういったケースでの見解では、「エクトプラズム」は、「唾液や爪や髪の毛に似た成分で、万人が有しているが、一部の霊能力を有した者だけが、体外に出すことが可能」ともされている。また、あるケースでは、それは、発光流動体であるとされる。ある種の臭気をおびているという、報告もある。 霊能力を持つ者のうち、意識的にエクトプラズムを体外に出すことが可能なケースでは、その放出の最中に、強い光を当てたり、手を触れたりすると、エクトプラズムを出している本人の肉体に強烈なダメージを与えるともされている。そのために、かつての心霊実験中には、会場を暗い状態に保ってきたという理由付けがなされてきて、懐疑的な立場の者に対し、トリックや奇術など、さらなる疑いを持たせる結果ともなっている。ただし、ヘレン・ダンカンのように実際に死亡したケースもある。 === 心霊写真 === 写真機がまだ高性能ではない時代、また現像技術がまだ安定的でない時代においては、不可思議な写真を心霊写真として扱い、特に煙のような魂とみえるものがエクトプラズムとしてケイブンシャ勁文社の書籍などで紹介されたことで一般に認知されるに至った。しかしケータイで撮影できるほど手軽で高機能な写真ができる時代においてはそういう煙と見えるような不可思議な写りこみがなくなりエクトプラズムという言葉が心霊写真とセットで語られることは少なくなっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「エクトプラズム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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