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抱水クロラール(ほうすいクロラール、Chloral hydrate)は、合成されたものとしては最初の鎮静剤である。鼻を突く刺激臭があり、水に非常によく溶け、エタノール、ジエチルエーテルに溶けやすい。強い吸湿性がある。強酸化剤と激しく反応する。塩基と反応してクロロホルムおよびギ酸塩を生成する。日本では薬事法における習慣性医薬品に指定され、また医薬品添付文書では劇薬である。 抱水クロラールは1832年に、ギーセン大学のユストゥス・フォン・リービッヒにより合成され、1869年にベルリン大学のオットー・リープライヒが不眠症を改善する薬としての有効性を認めた〔、A History of Psychiatry: From the Era of the Asylum to the Age of Prozac, 1997〕。ブロムワレリル尿素と共にバルビツール酸系薬以前の薬である。1900年ごろにバルビツール酸系薬が登場しとって代わられていった〔、Psychiatric drugs explained: 5th Edition〕。 ==化学== 示性式CCl3CH(OH)2で表される化合物。CCl3CHO・H2Oと表記されることもある。 一般的な脂肪鎖を有するアルデヒドの場合、ハイドレート(-CH(OH)2)よりアルデヒド(-CHO)のほうが安定でありアルデヒドとして存在するが、抱水クロラールはα位にある塩素原子の電子求引性効果によってアルデヒドよりもハイドレート体のほうが安定に存在している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「抱水クロラール」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Chloral hydrate 」があります。 スポンサード リンク
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