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エピメニデスのパラドックス : ミニ英和和英辞書
エピメニデスのパラドックス
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。


エピメニデスのパラドックス : ウィキペディア日本語版
エピメニデスのパラドックス

エピメニデスのパラドックス論理の問題の一つである。クレタ島出身の哲学クノッソスエピメニデス(紀元前600年ごろ)の名を冠している。この問題を表す文は一種類に決まっているわけではない。ダグラス・ホフスタッターの『ゲーデル、エッシャー、バッハ』に記されている典型的バリエーションは次の通りである。
: エピメニデスはクレタの人で、次のような金言を残した。「クレタ人はみなうそつきである」〔ホフスタッター (1985) p.32〕
テトスへの手紙」にエピメニデスへの言及があり、「クレテ人のうちのある預言者が『クレテ人は、いつもうそつき、たちの悪いけもの、なまけ者の食いしんぼう』と言っている」とある()。
エピメニデスが言ったことが真実かどうかを考えることで、一般に自己言及のパラドックスが生じる。ただし、エピメニデスが自身以外に正直者のクレタ人を少なくとも1人知っていたとしたら、彼のこの言は単なる嘘であってパラドックスではなく、論理的矛盾を生じない。「全てのクレタ人は嘘つきだ」の否定は「クレタ人には嘘をつかない人もいる」であり、「クレタ人には嘘つきもいる」という文と同時に真となることがある。
== 歴史 ==
エピメニデスは哲学者で宗教的予言者でもあり、クレタの一般的感情に反して、ゼウスの不死性を以下のようなの形で表明した。

ゼウスの不死性を否定するから、クレタ人は嘘つきだとしている。当然ながらエピメニデスが「クレタ人」と言ったときそれが「自分以外のクレタ人」を指しているのは明らかである。この「クレタ人はいつも嘘つき」という部分だけを詩人カリマコスが ''Hymn to Zeus'' で引用し、エピメニデスと同様の宗教的信念を表明した。「テトスへの手紙」では、この2行目全体が引用されている。

全てのクレタ人が嘘つきだとクレタ人が断言することの論理的矛盾は、エピメニデスもカリマコスも気づいていなかったかもしれない。本来の文脈では、エピメニデスは「自分以外のクレタ人」という意味で述べており、自己言及という意識は全くなく、従って論理的問題ではなかった。エピメニデスは単に(自分以外の)クレタ人がゼウスの不滅性を否定したことを告発しただけである。このクレタの詩人が強烈な論理的問題を提示したとするよりも、誇張法(故意の誇張)と呼ばれる比喩を使ったと理解する方がまったく自然である。エピメニデスとエピメニデスのパラドックスがいつごろ結び付けられるようになったのかは不明である。エピメニデスは彼の文「クレタ人はいつもうそつきだ」でどんな皮肉もパラドックスも意図しておらず、カリマコスもテトスもそれは同様である。論理的矛盾はエピメニデスの詩ではなく、聖パウロの書簡に存在する。
:テトスへの手紙の中で、パウロは「クレタ人はいつもうそつき」だから彼らはキリスト教という唯一の真理を信じていないとテトスに警告した。パウロは彼の主張の根拠としてエピメニデスを引用した。彼は(いつもうそつきのはずの)クレタ人の言葉を使って「クレタ人はいつもうそつきだ」と主張し、同時に(クレタ人である)エピメニデスが確かに本当のこと(クレタ人はいつもうそつきだ)を言っていると結論しており、矛盾を生じさせた。
アウグスティヌスは ''Against the Academicians'' (III.13.29) にてエピメニデスやテトスに言及することなく嘘つきのパラドックスについて述べている。中世においては様々な形式の嘘つきのパラドックスが insolubilia の名で研究されたが、そこにエピメニデスの名は明確には出てこない。ピエール・ベールの『歴史批評辞典』第2巻(1740年)には明確にエピメニデスのパラドックスが収録されているが、ベール自身はこのパラドックスを「詭弁」に分類していた〔http://books.google.com/books?id=FKs-AAAAcAAJ&pg=PA414&dq=epimenides+logic&hl=en&ei=iHCBTOHHHcL88AbK48mIAg&sa=X&oi=book_result&ct=result&resnum=7&ved=0CEYQ6AEwBg#v=onepage&q=qu'Epimenide&f=false〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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