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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
エマニュエル・ゴールドスタイン()は、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』に登場する人物。作中の全体主義国家オセアニアの独裁政党を打倒するためにどこかに潜伏して陰謀をめぐらしているとされており、党と国家からは社会の最大の敵と目され、大々的なキャンペーンと憎悪の対象になっている。 作中で重要な役割を果たすにもかかわらず、国民の崇拝を集める党の指導者・「ビッグ・ブラザー」(「偉大な兄弟」)同様、ゴールドスタインは作中には一度もその姿を実際に現すことがない。「ビッグ・ブラザー」もその敵であるゴールドスタインも、政府の「真理省」のプロパガンダのために捏造された存在である可能性はぬぐえない。 == 人物 == ゴールドスタインは、1950年代の核戦争後にイギリスやアメリカ合衆国を打倒してオセアニア国を成立させた革命運動の中心人物のひとりであり、「ビッグ・ブラザー」と同じく初期の「党」の指導的人物でもあったとされる。しかし早い段階で彼は党を裏切って反革命運動を組織した。彼は死刑宣告を受けたものの逃げおおせ、初期の指導者が「ビッグ・ブラザー」を除いてほぼ粛清され一掃されたにもかかわらず今日まで生きているとされる。彼は「兄弟同盟」(ブラザーフッド、)という地下組織を率いて、敵国と密通し、党と国家の打倒のためにあらゆる陰謀を巡らしていると噂されている。彼の書いた異端的書物(「例の本」)が至る所に出回っているとも噂されている。ゴールドスタインの手下としてスパイ活動を行っていたという人物は思考警察(思想警察)により毎日のように逮捕されているが、その数は減る気配がなく、ゴールドスタインの組織はいまだに壊滅していない〔『1984年』p21 新庄哲夫訳、ハヤカワ文庫、1972年 ISBN 4150400083〕。 毎日テレスクリーンを通じて国民に対して行われる「二分間憎悪」の番組では、敵の超大国と通じて国家転覆をたくらむ売国奴として、ゴールドスタインの姿は毎回登場する。彼の姿は痩せたユダヤ人のような、羊のような風貌で、白髪がぼやけた後光のように大きく頭を取り巻き、小さな山羊ひげを蓄えた姿で描写され〔『1984年』p20〕、彼が出てくるたびに国民は憎悪をむき出しにせずにはいられない。番組や集会で毎回憎悪の的となる、ゴールドスタインのような反体制的人物の存在は、党に向かうかもしれない国民の怒りを一手に引き受け、彼の陰謀を退ける「ビッグ・ブラザー」への人々の支持や献身を確かなものにするという、党にとって非常に重要な心理的役割を果たしている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「エマニュエル・ゴールドスタイン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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