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エミール・ブートルー : ミニ英和和英辞書
エミール・ブートルー[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

エミール・ブートルー : ウィキペディア日本語版
エミール・ブートルー[ちょうおん]

エティエンヌ・エミール・マリー・ブートルーÉtienne Émile Marie Boutroux, 1845年7月28日 - 1921年11月22日)は、19世紀フランスの著名な科学哲学者宗教哲学者、歴史哲学者。科学における唯物論を痛烈に批判した。フランス・スピリチュアリスムの系譜に連なる哲学者であり、科学の力が容赦なく強まっていた時代にあって、宗教と科学は調停可能だと強く主張した。有名な哲学者アンリ・ベルクソンの影に隠れてしまったことで、英語圏ではブートルーの仕事はあまり知られていない。1898年に道徳・政治学アカデミーの、1912年にはアカデミー・フランセーズの会員に選出された。
エミール・ブートルーはパリの近く、オー=ド=セーヌ県モンルージュに生まれた。リセ・ナポレオン(現・リセ・アンリ4世)に入学し、1865年に卒業、その後高等師範学校へ進む。1869年から1870年までドイツハイデルベルク大学に留学し、生理学者・物理学者のヘルマン・フォン・ヘルムホルツに学ぶとともに、そこでドイツ哲学とも出会った。
初めて得た仕事はカーンにあるリセの哲学教師だった。1874年、博士論文をもとにした処女作『自然法則の偶然性について(De la Contingence des Lois de la Nature)』を上梓した。同書は、カント哲学が科学にとって持つ含意を分析したものである。
1874年から1876年にかけて、ブートルーはナンシー大学文学部で教鞭をとり、そこで科学者・数学者のアンリ・ポアンカレの妹であるアリーヌ・ポアンカレと恋に落ち、結婚した。1880年、息子のピエールが誕生した。ピエール・ブートルーもまた、数学者・科学史家として世にでることになった。
1888年、ブートルーはパリソルボンヌ大学で近代哲学史の教授に就任した。
1898年、道徳・政治学アカデミーの会員に選出され、1902年にはフランスの優秀な学生のための住居であるティエール財団のディレクターに就任した。1912年にはアカデミー・フランセーズの会員になった。
ブートルーの教え子には、アンリ・ベール、アンリ・ベルクソンモーリス・ブロンデルエミール・デュルケムがいる。
==著作==

* ''De la Contingence des Lois de la Nature'' (1874).
*:西宮藤朝訳『自然法の偶然性』平凡社、1926年
*:野田又夫訳『自然法則の偶然性』創元社、1945年
*:荒木優太訳『自然法則の偶然性について 』Puboo、2013年
* ''De Veritatibus Æternis apud Cartesium'' (1874; translated into French by G. Canguilhem, ''Des Vérités Éternelles Chez Descartes'', Paris: Alcan, 1927; Paris: Vrin-Reprise, 1985).
* ''La Grèce Vaincue et les Premiers Stoïciens'' (1875).
* ''La Monadologie de Leibnitz'' (1881).
* ''Socrate, Fondateur de la Science Morale'' (1883).
* ''Les Nouveaux Essais, de Leibnitz'' (1886).
* ''Questions de Morale et d'Éducation'' (1895).
* ''De l'Idée de Loi Naturelle dans la Science et la Philosophie Contemporaines'' (1895).
* ''Études d'Histoire de la Philosophie'' (1897).
* ''Du Devoir Militaire à Travers les Âges'' (1899).
* ''Pascal'' (1900).
*:森有正訳『パスカル』創元社、1942年
* ''Essais d’Histoire de la Philosophie'' (1901).
* ''La Philosophie de Fichte. Psychologie du Mysticisme'' (1902).
* ''Science et Religion dans la Philosophie Contemporaine'' (1908).
*:赤松智城、宇野圓空訳『現代哲學に於ける科學と宗教』博文館、1919年
*:村山勇三訳『哲学に於ける科学と宗教』大日本文明協会、1923年
* ''William James'' (1911).
翻訳
* ''La Philosophie des Grecs'', by Eduard Zeller (1877–1884).
死後出版
* ''La Nature et l'Esprit'' (1925).
* ''Études d'Histoire de la Philosophie Allemande'' (1926).
* ''La Philosophie de Kant'' (1926).
* ''Nouvelles Études d'Histoire de la Philosophie'' (1927).
* ''Leçons sur Aristote'' (1990).
英訳
* ''Pascal'' (1902, trans. by Ellen Margaret Creak).
* ''William James'' (1911, trans. by Archibald & Barbara Henderson).
* ''Science and Religion in Contemporary Philosophy'' (1911, trans. by Jonathan Nield).
* ''Historical Studies in Philosophy'' (1912, trans. by Fred Rothwell).
* ''Education and Ethics'' (1913, trans. by Fred Rothwell).
* ''Science and Culture'' (1914, lecture).
* ''Natural Law in Science and Philosophy'' (1914, trans. by Fred Rothwell).
* ''The Contingency of the Laws of Nature'' (1916, trans. by Fred Rothwell).
* ''Philosophy and War'' (1916, trans. by Fred Rothwell).
* ''The Relation Between Thought and Action'' (1918, lecture).
学術論文
* "War and Sophistry," ''The New England Magazine'', Vol. LV, June 1916.
* "A Frenchman on America," ''The Open Court'', Vol. XXXII, No. 749, 1918.

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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