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エルデシュ数(エルデシュすう、Erdős number)またはエルデシュ番号とは、数学者同士、あるいはもっと広く科学者同士の、共著論文による結び付きにおいて、ハンガリー出身の数学者ポール・エルデシュとどれだけ近いかを表す概念である。エルデシュに共著論文が非常に多いことから、その友人たちによって、敬意とユーモアを込めて考え出された。今日では科学者のコミュニティにおいてよく知られており、エルデシュと近いことが名誉であるかのように半ば冗談めいて語られる。 == 定義 == ある者が新たにエルデシュ数を得るためには、すでにエルデシュ数が与えられている者と共著で論文を書かなければならない。エルデシュ自身はエルデシュ数 0 を持つただひとりの人物とされ、エルデシュ数が ''n'' の者と共著で論文を書いた者にはエルデシュ数 ''n'' + 1 が与えられる。 エルデシュは83年の生涯に約1500本の数学論文を書き、その多くは共著であった。彼と直接の共著論文がある数学者は511名に及び〔Erdős Number Project, エルデシュ数 1 の数学者のリスト 。エルデシュは1996年に死去しているため、原理的にこれ以上は増えない。〕、彼らにはエルデシュ数 1 が与えられる。エルデシュ数 1 の者と共著論文があり、エルデシュとは直接の共著論文がない者にはエルデシュ数 2 が与えられる。エルデシュ数が 2 である者は、2010年10月20日の時点で9267名いる〔Erdős Number Project, エルデシュ数 2 の数学者のリスト 〕。以下同様に、エルデシュ数 ''n'' の者と共著論文があり、エルデシュ数 ''n'' 未満の者とは共著論文がない者には、エルデシュ数 ''n'' + 1 が与えられる。エルデシュ数をすでに持っている者との間に共著論文がない者には、エルデシュ数が与えられない(もしくはエルデシュ数が ∞ であると定義する)。 エルデシュ数の定義は、エルデシュが多くの業績を残したグラフ理論の用語を用いることでもできる。協力グラフ (collaboration graph) とは、著者たちを頂点(ノード)とし、共著のある著者同士を辺(エッジ)で結んでできるグラフである。このグラフにおいて、2人の著者を結ぶ道(パス)の長さの最小値を、その2人の間の距離と定義する(そのような道がなければ距離は ∞ とする)。このとき、エルデシュ数は、協力グラフにおけるエルデシュとの距離と定義される。 何をもって共著と認めるかについては、やや曖昧さがある。エルデシュ数プロジェクトのウェブサイトを運営するジェラルド・グロスマンによれば、2つの頂点を辺で結ぶ基準は、共同研究の結果公表された共同の著作であって、共著者は何人いても構わない〔Erdős Number Project, Information about the Erdős Number Project エルデシュ数プロジェクトの解説〕。研究発表ではない著作、例えば初等的な内容の教科書、歴史書や伝記、翻訳書などは含まれない。 エルデシュ数を印刷物で初めて紹介したのは、解析学者のキャスパー・ゴフマンとされる〔Michael Golomb, Paul Erdős at Purdue エルデシュの追悼記事〕。彼は、1969年に「そしてあなたのエルデシュ数は?」という題目で、エルデシュ数についての記事を書いている〔Casper Goffman, "And what is your Erdős number?", American Mathematical Monthly, 76 (1969), 791.〕。 アメリカ数学会は、エルデシュに限らず、任意の2人の数学者間の距離を算出するオンラインサービスを提供している〔アメリカ数学会のオンラインサービス 。「共同研究間隔」のタブをクリックし、2人の著者を入力すればよい。例えば、Kodaira, Kunihiko と入力し、「Erdos 利用」をクリックして「検索」をクリックすれば、小平邦彦のエルデシュ数が 2 であることが分かる。アメリカ数学会のデータベースに登録されている論文のみを元に算出されるが、数学者の間ではこれが公式のエルデシュ数と見なされている。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「エルデシュ数」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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