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菌床栽培(きんしょうさいばい)とは、菌床(オガクズなどの木質基材に米糠などの栄養源を混ぜた人工の培地)でキノコを栽培する方法である〔なお、シイタケの「菌床栽培」について、日本では「しいたけ品質表示基準」(平成18年6月30日農林水産省告示第908号)第2条によって「おが屑にふすま、ぬか類、水等を混合してブロック状、円筒状等に固めた培地に種菌を植え付ける栽培方法」と定義されている。〕〔きのこの栽培方法 1-2 菌床栽培 特許庁〕。本稿では子実体を食用または薬用とするために日本国内で商業生産されるキノコに関し記述する。 菌床栽培を行うキノコはほとんどが腐生菌のうち落葉分解菌、木材腐朽菌で、その中でも栽培が容易な菌種あるいは、身近に存在していた菌種から栽培が行われた。根生菌(菌根共生菌)類の場合は、共生主となる植物が必須で容易に菌床栽培は行えない。 栽培条件には、様々な変動要素があり、キノコの品種と共に一連の技術には数多くの特許が出願され成立している。 食味はキノコの種類によっては「天然」「原木栽培」に若干劣るとも言われるが、ヒラタケ、エノキタケ、マイタケのように低価格と人工栽培特有の形状と食味は天然物にはない優位点でもある。現在では、栽培可能なキノコの種類は多様化し、キノコの種類によっては年間に4~8回転の収穫が可能で年間を通じ流通させることが可能となった。 == 歴史 == 1886年和歌山県生まれの森本彦三郎は、当時マッシュルーム栽培の先進地であったフランス、アメリカでマッシュルーム栽培の最新知識と技術を17年間学び1920年帰国する。森本彦三郎は、そこで学んだ『「純粋培養種菌」によるキノコ栽培』を広めると共に、マッシュルーム栽培と缶詰の輸出事業を行いつつ、研究を重ね未利用資源(産業廃棄物)としてのオガクズを有効利用することを考え、エノキタケの「おがくず人工栽培法」(菌床栽培法)を1928年考案した 〔キノコ栽培の父 森本彦三郎 千葉菌類談話会〕〔奈良のキノコ ―Mushrooms & Toadstools of Nara Pref.― 奈良教育大学〕。当時、エノキタケ栽培に使用する原料木が不足し生産農家が苦労していたことも背景に有るとされている。更に、エノキタケのビン栽培法は1931年に長野県の松代町(現在の長野市松代)で屋代中学(現在の長野県屋代高等学校・附属中学校)の校長、長谷川五作の指導で始められ〔長野県のきのこ生産額は日本一 きのこのビン栽培は長野市松代町が発祥 2006/10 長野県ALPSネット(長野県庁)〕、1950年頃には同地域の重要な産業にまで育ち全国に広まった。 当該技術の普及と発展の背景はいくつかある、 #林間栽培や原木栽培では、種菌付けから収穫開始まで 1~ 3年程度を必要とするが、当該技術では種菌付けから収穫までの時間は5~20週程度と、従来の方法より栽培期間も短く年間4~8回転が可能。 #従来の栽培方法は、気象条件の変化や害虫、有害菌の影響を受け易く、安定した収穫量及び品質を確保することができない。 #菌床栽培技術が普及を始めた昭和30年代の原木栽培のシイタケを例にすれば、天地返しや潅水をするだけでなく年に数回ほだ木を水没し十分に吸水させるなどの作業が必要で、1m 前後のほだ木の運搬は重労働である。 #木材腐朽菌は朽ち木に発生するキノコであることから、廃棄物でしか無かったオガクズを主基材として有効利用するだけでなく、大量に発生し廃棄物に近い扱いになっていた米糠も有効に利用できることができ、未利用資源(廃棄物)の有効利用ができた。 #食材供給としての面から捉えれば、野生のキノコには季節があり「塩蔵」「瓶詰」「缶詰」「乾物」等の加工品を利用しなければ、季節に関係なくキノコを利用することはできない。 #林間栽培や原木栽培は山間地や森林部で行われるが、菌床栽培は屋内栽培でもあるため、平地(畑や家)でも可能である。 などの複合した理由が存在している。 更に、キノコ自体の商品価値も高かったことから、発展したのが当該技術である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「菌床栽培」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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