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オニアンコウ科[おにあんこうか]
オニアンコウ科(学名:)は、アンコウ目に所属する魚類の分類群の一つ。いわゆるチョウチンアンコウ類として知られる深海魚の一群で、オニアンコウなど5属27種が記載される〔『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.259-260〕。チョウチンアンコウ類の中では最も形態の特化が進んだ高位群として位置付けられ、複雑な構造をもつ顎ヒゲや左寄りに開口した肛門など、際立った特徴を有するグループである〔『Oceanic Anglerfishes』 pp.150-151〕。 == 分布 == オニアンコウ科の魚類はインド洋・大西洋、およびパナマ湾を中心とする東部太平洋の深海に主として分布する〔。本科に所属する5属のうち、''Acentrophryne'' 属は雌の5個体しかこれまでに知られておらず、コスタリカ沖、パナマ湾、ペルー・チリ海溝などいずれも東部太平洋の熱帯域から報告されている〔『Oceanic Anglerfishes』 pp.225-228〕。比較的多くの標本が存在する ''Borophryne'' 属もまた東部太平洋に固有の分布を示し、主にパナマ湾の表層から水深1,750mにかけての範囲から採集されている〔。 ''Photocorynus'' 属および ''Haplophryne'' 属は大西洋・太平洋・インド洋など三大洋に分布するが、インド洋からの報告はいずれも1個体にとどまる〔。''Photocorynus'' 属の分布は熱帯域に限られる傾向があるのに対し、''Haplophryne'' 属は高緯度の海域にも生息することが知られている〔。前者の分布水深は990-1,420mと深いが、後者は比較的浅く、300m付近からも採集されている〔。 残るオニアンコウ属(''Linophryne'')はチョウチンアンコウ類としてはユメアンコウ属(''Oneirodes'';ラクダアンコウ科、35種)に次いで種多様性を示すグループで、少なくとも22種が三大洋の深海から知られている〔。ある程度の数の採集記録が得られているのはインドオニアンコウ(''L. indica'')などごく一部に過ぎず、多くは非常に稀な魚類であり、22種のうち8種はただ1点の標本に基づいて記載されている〔。 オニアンコウ属の半数以上を占める12種は大西洋、特に北大西洋が分布の中心である〔。このうちアクマオニアンコウ(''L. lucifer'')など8種は、インド洋や太平洋からも散発的な報告があり、汎存種とまでは言えなくとも広範囲な分布域をもつ可能性がある〔。インドオニアンコウ・オニアンコウ(''L. densiramus'')の2種は主にインド太平洋に生息し、日本の近海からも報告がある〔。オニアンコウ属の仔魚は水深100-200mの範囲から多く得られており、他のチョウチンアンコウ類の仔魚が100m以浅に多いのとは対照的である〔。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「オニアンコウ科」の詳細全文を読む
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