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オムパレー : ウィキペディア日本語版
オムパレー[ちょうおん]

オムパレー(, )はギリシア神話に登場するリューディアの女王。オンパレーまたはオンファール長母音を省略してオムパレオンパレオンファレなどの表記もある。
アポロドーロスによれば、オムパレーはイアルダノス(イアルダネースとも)の娘で、リューディア王トモーロスの妃となり、トモーロスの死後王位を継いだ〔アポロドーロス『ギリシア神話』II.6.3〕。神託によって奴隷となったヘーラクレースを、オムパレーが買い取って仕えさせた。以下の神話もアポロドーロスに基づく。
== 神話 ==
ヘーラクレースは、ヘーラーに吹き込まれた狂気のためエウリュトスの子イーピトスを殺し、病気に悩まされるようになった。ヘーラクレースはデルポイに赴いて神託を受けようとした〔ヒュギーヌス『ギリシャ神話集』第32話「メガレー」によれば、ヘーラクレースが神託を受けようとしたのは、妻メガラーと息子テーリマコス、オピーテースを殺したときだとする。アポロドーロスでは、メガラーの事件はヘーラクレースの「12の功業」のきっかけとされている。〕が、ピュートー(デルポイの古名)の巫女は神託を与えようとしなかった。憤慨したヘーラクレースは神殿を掠奪し、三脚台を持ち去って自身の神託所を建てようとした。これを阻止しようとしたアポローンとヘーラクレースの争いとなり、ゼウスが二人の間に雷霆を投じて分けさせた。この結果、ヘーラクレースは「奴隷として身を売られ、3年間〔ソポクレース作『トラキスの女たち』では1年としている。〕奉公した後にエウリュトスに殺人の代価を払え」という神託を受けた。ヘルメースがヘーラクレースを売り、これを買ったのがオムパレーである。
オムパレーに仕えている間、ヘーラクレースはエペソスの近くにいた二人のケルコープスオーケアノステイアーの子。「尻尾のある者」という意味で、猿と関係がある。名前については、パッサロスとアクモーン、オロスとエウリュバテース、シロスとトリパロスといった説がある。〕を生け捕りにした。また、アウリスで、通りかかる他国人を捕らえてはブドウ畑を耕させていたシュレウスを殺し、娘のクセノドケーとともにブドウの木を焼いた。さらにドリケー島に立ち寄ったとき、イーカロスの死骸が海岸に打ち上げられているのを見てこれを葬り、島をイーカリアーと呼んだ。イーカロスの父ダイダロスは感謝してヘーラクレースの像を建てたが、ヘーラクレースは夜にこの像を見て生きていると思い込んで石を投げつけた。
こうしてヘーラクレースがオムパレーに仕えている間に、アルゴナウタイの探索やカリュドーンの猪狩りが行われた。また、この間テーセウストロイゼーンよりアテーナイに向い、その途上でならず者たちを退治したとされる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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