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===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ ー : [ちょうおん] (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
オークラウロ(Okraulo)®は日本の尺八に西洋のモダン・フルートのキーメカニズムを取り入れて、昭和初期に大倉喜七郎が考案した〔下中直也 編 『音楽大事典』 平凡社,1981年〕金属製の多孔尺八である。エアリード(無簧)式の縦笛で、ザックス=ホルンボステル分類に当てはめると、尺八と同じく気鳴楽器の中の「開管単式縦吹きフルート」となる〔フルートを縦に構えて吹くために頭部管を曲げたいわゆる「縦吹きフルート」とは異なり、特に歌口に関しては尺八式の吹奏法を習得する必要がある〕。 == 概要 == 大倉喜七郎は大倉財閥の二代目として文化・スポーツ界の支援に多大な貢献をした。若くから特に尺八の吹奏を得意としており〔『稿本 大倉喜八郎年譜』東京経済大学、2012〕、指孔を増やすことで尺八の音域を広げ、西洋音楽の十二音律に対応する楽器にしたいとの考えからオークラウロの開発に取り組んだ〔大倉喜七郎「楽器としての尺八改良意見」(大正12年、『三曲』3巻1号)〕。1922年(大正12年)4月に大倉式尺八の披露会が行われ、その後の試行錯誤を経て、1935年(昭和10年)に新楽器として初めてオークラウロの名称で世間に発表された。 オークラウロ協会の総務であった伊庭孝により、創始者のOKURAと、古代ギリシアの楽器「アウロス」(Aulos)を合わせて「オークラウロ」と命名された〔『オークラウロ教則本』オークラウロ協会、1936年〕が、1938年(昭和13年)には「オークラロ」としても商標登録されている。アウロスはダブルリードでダブルボアだったとされるため、エアリード式でシングルボアの尺八とは趣が異なるが、おそらく古代ギリシアへのロマンや縦笛としての理想などが時代の雰囲気と相まっての命名であろう。 標準管のソプラノのほか、ピッコロ、ソプラニーノ、アルト、バッソの5種が制作され、楽器としての性能は良好であったとの評価もある〔が、オークラウロ奏者の育成やオークラウロのための楽曲の制作などが発展途上の段階で、戦後の財閥解体により大倉家のバックアップが失われたため、楽器製作のコスト面や、教授者の不足、日本における音楽の急速な欧米化など、様々な要因を背景に廃れてしまった〔吉川英史『日本音楽の歴史』創元社2004〕。しかし、10数年という短い期間ではあったが、関係者へのインパクトは大きく、その後も一部にその存在が語り継がれたため、幻の楽器と称される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「オークラウロ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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