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オールズモビル・トロネード : ミニ英和和英辞書
オールズモビル・トロネード[びる]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
ビル : [びる]
 【名詞】 1. (abbr) building 2. bill 3. (P), (n) (abbr) building/bill

オールズモビル・トロネード : ウィキペディア日本語版
オールズモビル・トロネード[びる]
オールズモビル・トロネード(Oldsmobile Toronado)は、1966年から1992年までゼネラルモーターズ(GM)のオールズモビル・ディビジョンで製造された2ドアクーペである。
"トロネード(Toronado)"という名称には特別な意味は無く、元々は1963年シボレーコンセプトカーのために考え出された名前であった。フォード・サンダーバードビュイック・リヴィエラと直接競合するオールズモビルのフルサイズスペシャリティカーとして企画されたトロネードは、1937年のコード(Cord)以来途絶えていたアメリカ合衆国で大規模に量産された最初の前輪駆動(FWD)車として歴史的に記憶されている。
トロネードは構造的に1966年後輪駆動のビュイック・リヴィエラと翌年のキャデラック・エルドラド(Cadillac Eldorado)と関連を持っていたがスタイリングは全く異なっていた。トロネードはリヴィエラとエルドラドとはその28年間の歴史でEボディ(E-body)・プラットフォームを共有し続けたが、ビュイック・リヴィエラは1979年モデルまで前輪駆動に転換しなかった。
==第1世代 1966年 - 70年==

初代のトロネードは1962年にオールズモビルのデザイナーのデビッド・ノース(David North)が描いたスケッチから始まった。彼のデザインは小型のスポーツ/パーソナルカーで"フレームレッドカー(Flame Red Car)"と呼ばれ、生産は考えられていなかった。しかしデザインが完成して数週間後にオールズモビル・ディビジョンは1966年モデルとしてリヴィエラ/エルドラド級のパーソナルカー製造許可の通知を受け、ノースのデザインが選ばれた。製造コストの観点から、まだ名が無いこの車は1966年モデルとして刷新されるリヴィエラとEボディと呼ばれるプラットフォームの骨格を共有することとなりノースが想定していたよりも大きな車となった。オールズモビルやGMのデザイン部門の長であるビル・ミッチェル(Bill Mitchell)がこの車を中型車(intermediate)のAボディ(A-body)・プラットフォームに押さえ込もうと努力したにも関わらずコスト的な理由から却下された。
1958年以来オールズモビルは技術者のジョン・ベルツ(John Beltz、後にオールズモビル・ディビジョンの長となる)に率いられたプロジェクトで前輪駆動の開発を行ってきていた。当初はより小型のF-85シリーズ(F-85 line)に応用する計画であったが、コストと実験特性からより大型で高価格の車に適用することになった。フォード・モーター社の技術者F. J. フーヴェン(F. J. Hooven)は類似の前輪駆動レイアウトの特許を取っており、フォード社は1961年モデルのフォード・サンダーバードの設計にこれを取り入れることを真剣に検討していた。しかし、このような新規技術をそのような短期間で開発するというのは懐疑的な計画であった。
オールズモビルはトロネードの開発に7年の歳月を要した。市場に導入する前に1,500万マイル以上の過酷なテストが実施され、トロネードの前輪駆動機構の堅牢性と信頼性が検証された。オールズモビルは明らかに新機構の不具合を市場に出た後で誰にも経験して欲しくはなかった。トロネードの設計が如何に念入りであったかは、1970年代のGMC・モーターホーム(GMC motorhome)が基本的にトロネードから派生した駆動機構を変更無しで使用していたことが証明している。
トロネードの命名はそれ自体が一大事であった。知られている開発中に考えられていたその他の名称には:マグナム(Magnum)、シロッコ(Scirocco)、レイヴン(Raven)がある。
その7年間の開発期間中にGMによるトロネード用の発明と設計がいくつかあった:
* 大容量のターボ=ハイドラマチック(Turbo-Hydramatic)400型3速オートマチックトランスミッション(前輪駆動用の名称はTHM425)
* ロチェスター・クアドラジェット(Quadrajet) 4バレルキャブレター
* 球状排気管接合部ガスケットは排気管を自在に動かすことができ、排気漏れを防いだ。
* "ドラフト=フリー(Draft-Free)"換気システムにより従来の三角窓を廃することで風きり音が激減した。
ファイアストン社はトロネードのためにTFDToronado-Front-Drive)と呼ばれる特製の8.85" x 15"タイヤを開発した。このタイヤは通常の物より硬いサイドウォールを持ち、接地面と見栄えのする細く白いピンストライプの独特な物だった。
通常とは異なるトロネードの動力機構はユニタイズド・パワーパッケージ(Unitized Power Package:UPP)と呼ばれた。これはエンジンと変速機を一体化してエンジンルームに搭載したもので、通常の後輪駆動車よりも小さくまとまっていた。
オールズモビルの技術陣はこの車の動力源に従来のエンジンの性能を向上させたものを選択した。385 hp (287 kW) と 475 ft•lb (644 Nm)のトルクを発生するオールズ 425 cu in(7.0 L) ''スーパーロケット''V型8気筒で、これはスターファイア(Starfire)425より10 hp (7 kW)、オールズモビル・ナインティーエイト(Ninety-Eight)に搭載されていた標準の425より20 hp (15 kW)も高出力であった。トロネードの吸気管は独特でボンネットと干渉しないように扁平になっていた。
大容量のターボ=ハイドラマチック3速オートマチックトランスミッション(THM400、TH400)はトロネードの開発から生まれ出てきた。前輪駆動用はTH425と呼ばれ、変速機の遊星歯車機構から分離されたトルクコンバーターは、2つの12インチスプロケットをまわして
Hy-Voと呼ばれる2インチ幅の静音チェーンドライブを介して歯車機構を駆動した。Hy-VoチェーンドライブはGMのハイドラ=マチック(Hydra-Matic)部門とボルグワーナー社のモース・チェーン(Morse Chain)部門が共同開発したものであった。このチェーンは非常に強靭な鋼製で、工場で特殊な機械であらかじめ張られたのでテンショナーやアイドラープーリーは必要無く、変速機のギアの回転方向を反転させなければならなかったが多くの部品を通常のTH400型と共用していた。オートマチックトランスミッションを使用することで手動シフトのリンケージも不要とすることができた。技術者達はオートマチックトランスミッションでも充分な性能を発揮できると考えていたのでマニュアルトランスミッションを搭載することは考えられていなかった。
トロネードはGM初のサブフレーム(subframe)構造車であり部分的にはモノコック構造を採用していた。サブフレームは後輪サスペンションのリーフスプリングの前端まで伸びており、ここがリーフスプリングの取り付け位置になっていた。このサブフレームがパワートレーン、前輪サスペンション、フロアパンを支持することにより道路やエンジンの振動を上手く遮断していた。(これは1967年発表のシボレー・カマロポンティアック・ファイヤーバードと似た設計思想であった)
スペース上の理由からオールズモビルはトロネードに通常の不等長ダブルウィッシュボーンと共にトーションバー・スプリング式の前輪サスペンション(トーションバー方式のサスペンションを採用した初のGMの乗用車)を採用した。後輪サスペンションは1枚のリーフスプリング上に簡潔なビームアクスルが載っていたが、唯一特異な点は1輪に垂直方向と水平方向(車輪の動きを制御するラジアスロッド:radius rodの役目を果たす)の2本のショックアブソーバーを備えていた点であった。
ブレーキは保守的な11インチ(279mm)径のドラムブレーキであり、これはトロネードの弱点であると考えられていた。車重の大きい車は何度か急ブレーキを踏むと過熱し、ブレーキが甚だしくフェードして制動距離が伸びることとなった。1967年モデルに実質的な改善策として前輪にベンチレーテッドディスクブレーキがオプション設定された。
トロネードのUPPは車内の完全に平坦な床を実現していたが、室内スペースは(主に後席の頭上スペース)ファストバック(fastback)スタイルにより幾らか限定されていた。2ドアクーペながらトロネードはその長いドアにより後部座席への乗降性を確保しており、オプションで設定されていた後席に装着できるドアノブにより前部座席の背後から手を伸ばさなくともドアを開けることができた。この機能は同時代のインペリアル(Imperial)にも装備されていた。
運転席の前にはデザイン度の高いハンドルが位置しており、運転者はこれに付いた2重デルタ型のホーンリングを通して固定"指針"に垂直方向へ回転する数値が印字された回転ドラムという特異な速度計を見た。その他全ての計器、指示灯、スイッチ類はドライバーの手近にまとめられていた。
テスト重量の平均が5,000 lb (2,300 kg)に近いにもかかわらず公表された1966年モデルのトロネードの性能データは、0–60 mph (0–97 km/h)加速が7.5秒、静止状態から1/4 マイル (400 m)を通過するのに16.4 秒 @ 93 mph (150 km/h)で最高速度は135 mph (217 km/h)に達した。テスト要員はトロネードが顕著に車体前部に荷重が偏りその結果アンダーステア傾向であるにもかかわらず、通常の走行ではその他のフルサイズのアメリカ車とは実質的に違いがないことに気付いた。実際に多くの同時期のテスト要員達はトロネードが他の車より安定し応答性が良く、限界まで追い込んだときに実質オーバーステアにはならないが素晴らしいハンドリング特性を示すと感じていた。
W-34という符号で呼ばれる特別なオプション品が1968–70年モデルのトロネードに用意されていた。このオプションにはエアクリーナー用の冷気導入システム、高性能カムシャフト、素早く剛性感のある変速に調整され5 mph (8 km/h)時のトルクが倍増された"GT"トランスミッションが含まれていた。1966–67年モデルに似たバンパーに割り込んだ2本出しのデュアル排気管もW-34には含まれていた。標準モデルもデュアル排気管であったが、1本の排気口だけはマフラーがある車体後部右側から幾分隠れていた。
1970年モデルのみのW-34オプションには外装に特製"GT"バッジが含まれていた。W-34モデルのトロネードは0–60 mph (0–97 km/h)加速が7.5秒、静止状態から1/4 マイル (400 m)を通過するのに15.7 秒 @89.8 mph (144.5 km/h)であった。
導入当初のトロネードの販売は比較的良好で1966年モデルは40,963台が生産された。トロネードは''モータートレンド(Motor Trend)''誌のカー・オブ・ザ・イヤー賞や''カーライフ(Car Life)''誌の優秀技術賞の様な幾つかの自動車賞を獲得することによりオールズモビルに大きな宣伝効果をもたらした。トロネードは1966年度のヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーの第3位も獲得した。
多少のフェイスリフトを施され、オプションのディスクブレーキを追加し、乗り心地を少し柔らかくした1967年モデルの販売はおおよそ半分の22,062台に落ち込んだ。トロネードが初年度の販売記録を取り戻すのは1971年モデルであった。
1967年キャデラックは、キャデラックV8エンジン(Cadillac V8 engine)を搭載したUPPを使用した自前のモデルのキャデラック・エルドラドを導入した。エルドラドはE-ボディ・シェルをトロネードとリヴィエラと共用していたがスタイリングは全く異なり、この3車種はまったく別のモデルに見えた。
初代のトロネードは通常の年度毎のフェイスリフトを施されつつ1970年モデルまで続いた。ブレーキ以外の主要な変更点はオリジナルの''425 cu in (7.0 L) V8ロケット''エンジンが1968年に標準で375 hp (280 kW)、W-34オプションで400 hp (300 kW)の''455 cu in (7.5 L) V8ロケット''エンジンに換装され、1969年にリアクォーターの外板が変更(側面から見るとスロープを描くような小さなヒレ状になった)された。1970年にはリトラクタブルヘッドライトが廃止され、ホイールアーチ部が角張った形状の張り出しが導入された。
僅かな内装の模様替えもモデルイヤー毎の変遷と共に盛り込まれ、1968から70年モデルにはストラト・バケットシート(Strato bucket seats)と共にフロアシフトが装着された前後席に渡るセンターコンソールが追加料金でオプション注文できたが、この仕様の注文は僅かであった。圧倒的多数の購入者は前輪駆動構造により実現した平坦な床の恩恵を享受できるように標準のストラト・ベンチシート(Strato bench seat)を選択した。床に"膨らみ"が無いことで後輪駆動車よりも遥かに快適に3人が並んで座れ、前後席の中央席の者も脚を無様な格好にして座る必要は無かった。
サスペンションの堅さとそれに起因する乗り心地の質は年々徐々に柔らかくなっていった。興味深いことに1966年型に使用されたトーションバーを利用したヘビーデューティ仕様のサスペンションは、初代トロネードの後期になってオプションで設定された。
諸元
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エンジン: 1966–67年 - 425 cu in (7.0 L) OHV V8、1968–70年 - 455 cu in (7.5 L) OHV V8
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出力: 1966–67年 - 385 hp (287 kW) @ 4800 rpm、1968–70年 - 375 hp (280 kW) @ 4400 rpm、400 (298 kW) @ 5000 rpm(W-34オプション)
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トルク: 1966–67年 - 475 ft•lbf (644 N•m) @ 3200 rpm、1968–70年 - 510 ft•lbf (691 N•m) @ 3000 rpm、500 ft•lbf (678 N•m) @ 3200 rpm(W-34オプション)
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変速機: 3速オートマチック、ターボ=ハイドラマチック 425 (THM-425)
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最終減速比: 1966–67年 - 3.21:1、1968–70年 - 3.07:1
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ホイールベース: 119.0" (3023 mm)
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全長: 1966–67年 - 211" (5359 mm)、1968年 - 211.6" (5375 mm)、1969–70年 - 214.8" (5456 mm)
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全高: 52.8" (1341 mm)
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全幅: 78.5" (1994 mm)
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トレッド、前/後: 63.5" (1613 mm) / 63.0" (1600 mm)
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重量、乾装/curb: 4,311/4,496 lb (1,955/2,039 kg)
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重量配分、前/後(%): 60.3/39.7
重量配分、前/後(%): 60.3/39.7

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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