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カサブランカ級航空母艦(カサブランカきゅう こうくうぼかん、)はアメリカ海軍の護衛空母(CVE)の艦級。当初、補助空母(ACV)として建造され、イギリス海軍にレンドリース(貸与)される予定であったがアメリカ海軍で運用された。 ==概要== 元来は、1942年にカイザー造船所社長が提案した30隻建造のプランによる〔大塚「数は力 力は正義なり!護衛空母群の航空戦力」138ページ〕。当初、アメリカ海軍はさほど相手にはしていなかったが、フランクリン・ルーズベルト大統領の肝いりもあって、6月に入ってカイザー造船所に50隻の建造が発注された。カイザー造船所のドックおよび船台はもともとリバティ船建造用に建設されたものだったが、やがて戦車揚陸艦の建造も手がけ、最後にカサブランカ級の一括建造に取り掛かった。1943年7月8日に一番艦のカサブランカを竣工させてから、最終艦のムンダがちょうど一年後の1944年7月8日に竣工するまでの間、ほぼ一週間に1隻のペースで建造されたので「週刊空母」の異名を持つ。カイザー社長は「ベビー空母」と呼んでいた。 前級のサンガモン級での経験により、艦載機を運用するに足りる最小限の規模で設計された。その構造も建造が比較的容易な商船型を採用し、既存商船の改装ではなく一からの新設計だったため無駄を極力排した艦となった。飛行甲板はボーグ級よりも余裕があったが、サンガモン級と同じく飛行甲板の位置はボーグ級と比べて低かった。機関も安価で入手の容易なレシプロ機関を用いている。一方で抗甚性向上のため、護衛空母として初めて機関のシフト配置を採用する等、必ずしも「安かろう、悪かろう」の艦ではない。出力自体はボーグ級の蒸気タービン(1軸)と大差なかったが、排水量が少ない分最高速力は速かった〔大塚「数は力 力は正義なり!護衛空母群の航空戦力」138、139ページ〕。にもかかわらず、カサブランカ級搭載のレシプロ機関は効率が悪く整備に手間がかかるという機関担当の乗員泣かせの代物で、評判はさっぱりだった〔大塚「数は力 力は正義なり!護衛空母群の航空戦力」139ページ〕。 艦名は当初、海や島の名前が宛がわれていたが、後に戦場となった地名や島も使用された。また、アンツィオとセント・ローの前名であるコーラル・シーとミッドウェイは、ともにミッドウェイ級航空母艦の一番艦と三番艦(当初は二番艦)の艦名に流用された。 本級の存在によりアメリカ海軍艦隊や船団の赴くところほぼ全てで艦載機が存在するということになった。戦後、1947年にスクラップとして売却処分された艦もあるが、ほとんどの艦が予備役に入ってモスボール(不活性化)処理がなされた。予備役の艦は1955年に特務空母(CVU)やヘリコプター護衛空母(CVHE)として復帰した。1960年に再び売却処分された艦があったものの、航空機輸送艦(AKV)に転用される艦もあり、それらの艦は1965年まで現役であった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「カサブランカ級航空母艦」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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