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カリスマ(、)とは、預言者・呪術師・英雄などに見られる超自然的・または常人を超える資質のことを指す。この資質を持つ者による支配を、ドイツの社会学者マックス・ヴェーバーは「カリスマ的支配」と呼び、支配の三類型の一つとした〔『大辞泉』小学館-カリスマ 。『明鏡国語辞典』大修館書店、2009年。〕。 ==概要== 英語の charisma は、オックスフォード大学出版の ''Oxford Advanced Learner's Dictionary'' では "the powerful personal quality that some people have to attract and impress other people"(一部の人々が持つ、他の人々を引きつけ感銘を与える強力な個人の性質)とされている〔Oxford Advanced Learner's Dictionary-charisma .〕。 一般的には、特定の人物に宿る特別な能力や資質をあらわす概念である〔井上順孝編 『現代宗教事典』 弘文堂、「カリスマ」の項(執筆者・岩井洋)〕。とりわけ、人々を引きつけたり信服させるある種の人格上の特質や魅力を指す〔『ジーニアス英和大辞典』大修館書店〕。より一般論的説明としては、特定の個人、身分、社会組織、象徴、事物などに、他とは異なる超自然的、超人間的、非日常的な力や性質がそなわっていると認識される場合に、それらのもつ特質をカリスマという〔小口偉一、堀一郎監修 『宗教学辞典』 東京大学出版会、1973年。〕。宗教社会学においてカリスマは、人間の社会生活の中で例外的に世界の根底にある究極的秩序にふれているものとして、日常的秩序を支え、あるいは破壊し新たな秩序を創造する性格をもつとされる概念であり、非合理的であるなどの点において、ルドルフ・オットーがヌミノーゼと呼ぶ「聖なるもの」の概念と類似する〔。 元来、ギリシア語の (恵み、賜物)は「神より賜った能力」といった意味で、「神の賜物、恩寵」として新約聖書などに用例があり〔Liddell & Scot, ''An Itermediate Greek-English Lexicon'', Oxford University Press.〕、キリスト教の神学上の概念として用いられてきた。ドイツの法制史家ルドルフ・ゾーム (:de:Rudolph Sohm) が原始キリスト教団の歴史を叙述する際にこの言葉を使い、社会学者マックス・ヴェーバーがそれを社会学の概念として導入した。ヴェーバーはカリスマという語を、人ではなく物に宿る力という意味でも用いたが、社会における支配のありようを論ずるに当たって、預言者、呪術師、英雄などの個人に宿る非日常的な資質をカリスマとし、そのような人物による支配をカリスマ的支配として分析した。以後、カリスマという言葉は社会学的用語として普及し、指導者や新宗教などに関する研究で用いられている〔。 日本では1999年に「現代用語の基礎知識」選出の流行語トップテン入賞語となっている〔「ユーキャン新語・流行語大賞第16回1999年」自由国民社 。〕。キリスト教用語としては神からの天与の賜物の意味である〔 *『ギリシャ語辞典』大学書林。 *織田昭『新約聖書ギリシア語小辞典』教文館。 *岩隈直『新約ギリシャ語辞典』。 *『グランド現代百科事典』。 *上智学院『新カトリック大事典』。 *『広辞苑』。〕 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「カリスマ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Charisma 」があります。 スポンサード リンク
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