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失われた10年(うしなわれた10ねん)とは、ある国、あるいは地域の経済低迷が約10年以上の長期にわたる期間を指す語である。1980年代のメキシコ経済の不振を表した言葉が語源である〔野口旭 『「経済のしくみ」がすんなりわかる講座』 ナツメ社、2003年、156頁。〕。 アメリカ文学におけるロストジェネレーションが、第一次世界大戦後の1920年代から1930年代、すなわち、狂騒の20年代から急転落の世界恐慌の時代にかけて活躍した経緯から、ロストジェネレーションの冷笑的で厭世的な世界観を寓喩して用いられることが多い。 * イギリスでは第二次世界大戦後の1946年 - 1955年。 * ラテンアメリカでは1980年代。特に、チリの1980年代はアウグスト・ピノチェト政権の時代と重なる。 * 韓国ではハンナラ党が金大中・盧武鉉両政権(1998年 - 2008年)を指して批判的な意味を込めて述べた。 * 日本では1990年代全般〔、1991年3月から2002年1月までの約11年間。本項で述べる。 日本における「失われた10年」とは安定成長期終焉後の1990年代前半から2000年代前半にわたる経済低迷の期間を指す語である。小泉構造改革を含むその後については失われた20年を参照。 == 経緯 == 日本銀行による急速な金融引き締め(総量規制)を端緒とした信用収縮と、在庫調整の重なったバブル崩壊後の急速な景気後退に、財務当局の失政、円高、世界的な景況悪化などの複合的な要因が次々に加わり不況が長期化した。銀行・証券会社などの大手金融機関の破綻が金融不安をひきおこすなど、日本の経済に大打撃を与えた。これにより、1973年12月から続いていた安定成長期は17年3ヶ月間で終わった。 多数の企業倒産や、従業員の解雇(リストラ)、金融機関を筆頭とした企業の統廃合などが相次いだ。この10年で本来通り成長していれば、100兆円得られたという試算もある〔佐藤雅彦・竹中平蔵 『経済ってそういうことだったのか会議』 日本経済新聞社学〈日経ビジネス人文庫〉、2002年、377頁。〕。 1991年3月から始まった「失われた10年」は、バブル崩壊(平成不況)に始まり、小泉構造改革によって2002年1月を底とした外需先導での景気回復により終結した。 ただし、この期間中にも、1993年末頃から1997年前半頃まで、カンフル剤注入政策(景気回復政策)によるカンフル景気または、さざ波景気(景気拡張期)、その後のアジア金融危機不況(景気後退期)、1999年初頭から2000年春頃にかけてのITバブル景気(景気拡張期)と、その後のITバブル崩壊不況(景気後退期)で景気の波はあった。ちなみに、その後の景気回復は、6年1ヶ月の長期間であったため、「いざなみ景気」と呼ばれたが、低成長にとどまり、実感がなく、しかも一部地域を除いて本格的な好景気に至らなかったため、「だらだら陽炎景気」とも呼ばれた。その後はサブプライムローンをきっかけに大不況(世界金融危機不況、世界同時不況)に陥った。このことから、いざなみ景気の期間も含めたバブル崩壊から約20年以上を不況として扱われることから、失われた20年とも呼ばれる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「失われた10年」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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