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ガラ馬券、あるいはガラは馬券の一形態。正式にはダブル・セリング・ロッタリー(Double selling lottery)略してロッタリー、あるいはスィープステークス方式馬券ともいう。日本では明治時代に発売された馬券の一種類であり、現代では禁止されているため見ることはできない馬券である。 競馬に賭ける方法の主なものとしてはガラ(ロッタリー、あるいはスィープステークス方式)以外にパリミュチュエル方式(現代の普通の馬券)とブックメーカー方式がある。 日本では明治時代の横浜競馬場を運営していた日本レース・倶楽部がガラ馬券を発売し、極短期間だが1906年(明治39年)に池上競馬場を運営した東京競馬会でも発売された。日本レース・倶楽部も東京競馬会もガラ馬券のみを発売したわけではなくガラとパリミュチュエル方式の2方式を併売していた〔立川1991、62-69頁。〕。 現在の馬券の方式であるパリミュチュエル方式は各々が出走馬の中から勝ち馬を予想して投票し、競走の結果、勝った馬に投票した者で投票数に比例して掛け金を分配するが、ガラ馬券は購入した時点では自分が買った馬券がどの馬の馬券かわからない。くじ引きで自分の馬券に対応する馬が決まり、レースでその馬が勝てば配当を得られる。後述する理由で客同士の馬券のオークションで駆け引きが行われるためパリミュチュエル方式とは違った面白さがあるが、不正が入り込む余地が大きく、実際に不正が横行した。また、明治から昭和初期までの馬券は建前としては馬匹改良の支援の為の「馬匹の鑑定」投票ということになっているが、勝ちそうな馬を予想して馬券を買うわけではないガラ馬券は建前としての馬匹改良への支援の趣旨にも合わない。そのためガラ馬券は日本では明治に発売されたのみである。大正以降から現在に至るまで日本ではガラ馬券は禁止され発売されていない〔。(日本の植民地満州国の競馬では満州国独自の競馬法が施行されていたため満州では昭和に入ってもガラ馬券は発売されていた〔山崎2010、135-147頁。〕。) 馬券に対応する出走馬を決めるクジ引きでは、番号を書いた木札を入れた箱を回してから木札を取り出すが、この際にガラガラと音がしたのでガラ馬券という〔早坂1989、101頁。〕。 ==仕組み== ガラ馬券の仕組みを池上競馬場で行われていた例で概説する。 例としてここでは競馬の出走馬は3頭(馬A,馬B,馬C)とする。(20頭以下なら何頭でも可能) 競馬主催者は1から20までの番号が記された馬券20枚を各10円で発売する(販売総額は200円になる)。 馬券の販売が終わったら、出走馬に対応する馬券をクジ引きで確定させる。仮にクジ引きで馬Aは馬券16番、馬Bは馬券5番、馬Cは馬券19番になったとする。 この時点で馬券5番と16番、19番の3枚以外の17枚の馬券は対応する馬がいないため外れである(競馬の競走が始まらないうちに外れが確定する) その後、実際に馬の競走が行われ、馬Aが一着、馬Bが二着、馬Cが三着になったとする。すると馬Aに対応する馬券16番の所有者が一着配当120円を受け取り、2着の馬Bに対応する馬券5番の所有者が二着配当60円を受け取る。3着の馬Cに対応する馬券19番の所有者は配当無しである。 馬券販売総額200円と配当合計180円(一着配当120円と二着配当60円)の差額の20円は競馬主催者の取り分である。 しかし、これだけで終るのでは、単なるサイコロばくちと大して変わらない。馬券を買う際には出走馬の研究や勝ち馬の予想は無関係で、馬券購入者にとっての勝ち負けは単にクジ運だけである。 そこで、ギャンブルとして面白くするために出走馬に対応する馬券がクジ引きで確定したら、馬券のオークションが行われる。先程の例だと、馬Aは馬券16番であるが馬券16番の所有者は馬券16番をオークションにかけることが出来るのである(任意)。馬Aが強い馬ならば馬券16番は高く売れるだろうし、オークション参加者は馬券16番を高く買っても馬Aが競走で勝って一着配当120円を受け取れる確率は高い。馬券16番の所有者もオークション参加者も配当額と馬Aが勝つ確率予測(期待値)とオークションでついた値段を見比べて売り買いを判断することが出来るのである。当然に馬券所有者は期待値より高ければ売り、安ければ売らない。 オークション参加者は期待値より安ければ買いである。この際、馬券16番の所有者はオークション参加者に馬Aが勝つ確率予想が高いように思わせて高値で馬券を売りたいし、オークション参加者は馬Aが勝つ確率予想を馬券所有者に低く思わせることが有利になる。馬の強さの検討・勝つ確率予測だけでなく、そこに客同士の駆け引きが入り込むことでギャンブルとしての面白さが増すわけである。 逆に弱い馬Cに対応する馬券19番の所有者は安くても馬券19番を売ってしまうこともあり得る(そのまま競走まで馬券を持っていても配当を得られる確率は低いため)。オークションで安く馬券19番を買った人は、運よくCが勝てば少ない投資で高い一着配当を得られるわけである(ただし馬Cは弱いため勝って配当を得られる確率は低い)。この際も馬券19番の持ち主は馬Cが実際より強いようにオークション参加者に思わせることでオークション値が上がり利益が拡大する。 競馬主催者は実際には1から20までの番号が記された馬券20枚を一組として多数の組数を販売するわけである〔日高1997、22頁。〕。 また、出走馬数と馬券の番号数を合わせることもあったという。この場合は競馬出走前に外れ馬券と確定することは無い〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ガラ馬券」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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