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キエフ府主教区(ウクライナ語:''Київська митрополія'')は、ウクライナの首都キエフを中心とした府主教区の一つ。10世紀末に設置された。ウクライナにおける正教会とカトリック教会の揺籃。キエフ首都大司教区、キエフ管区司教区とも表記し得る。 ==概要== 988年に、キエフ大公ヴォロディーミルはキリスト教をルーシの国教にした際に設置された。10世紀末から13世紀前半にかけて、キエフ・チェルニーヒウ、ペレヤースラウ、ビールホロド、ヴォロディーミルなどの16の主教区に分かれていた。11世紀以降、正教会のコンスタンディヌーポリ総主教庁に所属するようになった。 モンゴル来襲以後、1299年にキエフ府主教は、府主教の座をキエフ公国のキエフから、ウラジーミル・スーズダリ公国のウラジーミルへ移し、1352年にウラジーミルからモスクワ大公国のモスクワへ移転させた。一方、14世紀にリトアニア大公国がキエフ公国とキエフを併合すると、コンスタンディヌーポリに属するリトアニア府主教はキエフ府主教を名乗るようになった。結果として、キエフ府主教区における二頭政治が行われ、モスクワとリトアニアはキエフ府主教区の勢力範囲をめぐって争った。 1458年にモスクワの府主教は独立正教会位を宣言した。モスクワの独立を認めなかったコンスタンディヌーポリは、モスクワに属さない新たなキエフ府主教区を設置した。以後、モスクワ総主教はキエフ府主教という称号を使用しなくなった。 1596年にキエフ府主教をはじめ府主教区の主教たちのうち多くがコンスタンディヌーポリ総主教庁から離れ、ローマ教皇の傘下に入った。これをブレスト合同という。これによって正教会に属していたキエフ府主教区はローマ教皇に所属するようになり、カトリックの管区(ウクライナ・カトリック教会)になった〔G. ヴェルナツキー. p282, p304 - p306〕。 1620年にエルサレム総主教テオファンはウクライナ・コサックの依頼をうけてキエフの正教会のために新たな聖職者を按手した。1633年にポーランド・リトアニア共和国の国王の許可を得てコンスタンディヌーポリ総主教は新たなキエフ府主教区を設置した。これによってカトリック教会に属するキエフ首都大司教区と、正教会に属するキエフ府主教区が両立するようになった。 1649年にキエフ府主教区の領域ではコサック国家が誕生すると、カトリック系の聖職者はキエフを追われた。しかし、1660年代にコサックによるウクライナ内戦に伴い、正教会のキエフ府主教区でも争いが起こり、キエフ府主教区は独立派・親ポーラナド派・親モスクワ派に分かれた。1685年に後者はコンスタンディヌーポリ総主教庁と手を切ってモスクワ総主教庁に合同を結び、ロシア正教会に所属するようになった。一方、独立派・親ポーラナド派は18世紀にカトリック教会に改宗した〔Розділ V. Козацька ера. § 3. Мазепа і мазепинці. Минуле й сучасне України очима людей Церкви // Яковенко Н. ''Нарис історії України з найдавніших часів до кінця XVIII ст''. — Київ, 1997.〕。 1918年に、ロシア帝国の崩壊に伴ってウクライナ人民共和国が独立を宣言すると、ロシア正教会に属するウクライナ系聖職者の一部は1919年にウクライナ独立正教会を組織し、独自のキエフ府主教区を設置した。 1990年にモスクワ総主教庁はロシア正教会に属するキエフ府主教区をウクライナ正教会に改名し、自己管理権を認めた。1992年に、ウクライナの独立後、ウクライナ正教会の自立を願う聖職者はウクライナ正教会をキエフ総主教庁に改名し、モスクワ総主教庁と手を切った。独立を認めなかったモスクワは独立派の聖職者を破門し、ロシア教会に所属するウクライナ正教会の存続させた。 2012年の現時点では、キエフ府主教区の系統を主張する教会は次の通りである。 *ウクライナ正教会・キエフ総主教庁(1992年)。 *ウクライナ正教会 (モスクワ総主教庁系)(1990年)〔 〕。 *ウクライナ独立正教会(1919)。 *ウクライナ・カトリック教会(1596年)〔 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「キエフ府主教区」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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